[ワシントン 3日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)と米財務省は3日、中国の最近の公式発言や2日公表の白書は米中通商協議の本質と過程を誤って伝えるもので、中国側は「非難合戦」を追求しているとの共同声明を出した。
声明では、中国の交渉担当者は概ね合意がまとまっていた重要項目を「撤回」したと改めて指摘。重要項目には合意履行に関する規定が含まれたという。
また「われわれが中国側からの詳細かつ履行可能な合意を要求するのは、中国の主権に対する脅威には全くなっていない」と強調。「むしろ、議論された問題は通商協定に共通するもので、維持することのできない根強い貿易赤字につながっているシステミックな問題への対処に必要だ」と指摘した。
中国は2日に公表した政策報告書の中で、中国からの輸入品に関する最近の米国の関税は両国の通商問題を解決しないとしたほか、米国は交渉プロセスにおける失敗の責任を負っていると指摘した。
米中協議の中国側の主要交渉メンバーである王受文商務次官は同報告書に関する記者会見で、米国は「過剰な圧力」によって中国に通商合意を強いることはできないと述べた。
米中の言葉の応酬は、中国側が知的財産や技術移転に関して約束した改革事項を法制化するのを拒んで後戻りしたと米国が非難したことを巡り5月上旬に交渉が決裂して以降、激しさを増している。
USTRと財務省の声明は「中国が(2日)公表した報告書や最近の公式発言で非難合戦の追求を選択し、2国間の通商協議の本質や過程を誤って伝えていることに米国は失望している」とした。
交渉の動機は中国の「長年にわたる不公正な貿易慣行」で、米国の交渉スタンスは協議を通じて一貫してきたと指摘した。
5月の前回協議以降、新たな協議は予定されておらず、今月の20カ国・地域(G20)首脳会議の際にトランプ米大統領と中国の習近平国家主席が会談するかどうかも依然として不透明だ。
*内容を追加します。
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