January 15, 2020 / 11:23 PM / 4 months ago

米中、「第1段階」通商合意に署名:識者はこうみる

米中両国は15日、貿易交渉を巡る「第1段階」の合意に署名した。一部関税措置を取り下げるほか、中国は米国からモノとサービスの輸入を拡大させ、1年半に及ぶ米中貿易戦争がようやく休戦に向かう。市場関係者の見方は以下の通り。

●中国側の勝利

<ブライトスフィア・インベストメント・グループのグローバル・ストラテジスト、クリストファー・ニクソン・コックス氏=1970年代で米大統領として初めて中国を訪問したニクソン元大統領の孫>

中・長期的には、国家資本主義を巡る大きな難題が先送りされた。交渉はおそらく大統領選後になるだろう。

これは中国側の勝利といえる。レームダック(死に体)化した大統領と交渉するのは、はるかに容易だ。

短期的には、米中貿易戦争への関心が薄れるだろう。トランプ大統領は、欧州との貿易交渉に関心を寄せるはずだ。

●不透明感払拭、構造的問題残る

<プライベート・ウェルス・グレンミードの最高投資責任者(CIO)、ジェイソン・プライド氏>

「第1段階」合意の内容は、通商問題を引き起こした構造的問題の多くには対応していないようだが、突然新たな関税の脅威が生じるなど、長引く通商摩擦による不透明感は軽減される。

全般的には複数のことが同時に正しく進んでいる。つまり、通商関係の安定化、2020年に見込まれる企業収益の伸び、米国における緩和的な金融政策などだ。これらはリスク資産を支援しており、新たな出来事が起こらなければ今後も支援するだろう。

●米企業の設備投資を後押し

<スパルタン・キャピタル証券の首席市場エコノミスト、ピーター・カルディロ氏>

株式市場がこれまで大幅に値上がりした理由の一つは米中「第1段階」通商合意の署名が行われるという期待感があったからだ。署名は終わり、過去の話となったので、投資家は他の材料に目を移すだろう。足元の最大の注目材料は企業決算だ。

通商合意は心理的な観点からすると間違いなく市場にとって大きな安心材料だ。恐らく国内総生産(GDP)成長率を0.3━0.4%ポイント押し上げるだろう。米企業にとって安心材料だ。懐疑的な最高経営責任者(CEO)も依然としているだろうが、ここ数年の米経済に最も欠けていた設備投資を後押しする可能性がある。

恩恵が最小限にとどまったとしても、米企業にとっては安心材料で、設備投資の増加に道を開く。

●織り込み済み、今後内容を点検

<ホライズン・インベストメント・サービシズの最高経営責任者(CEO)チャック・カールソン氏>

市場は通常先を見ているため、何らかが調印されるということは既に織り込んでいた。今後内容の詳細な分析が行われるに伴い、十分でないとか、この項目が含まれていないなどの批判が出ることは確実だ。

 1月15日、米中両国は、貿易交渉を巡る「第1段階」の合意に署名した。写真はワシントンで撮影(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)

ただ、もし、調印に至らず直前に決裂していたら、市場はマイナスに反応していただろう。

きょうの市場の肯定的な反応は、文書の署名が大きな要因だとは思わない。既に企業決算シーズンが始まっており、それが株価を左右する。

合意を大きな前進と捉えるか、ほとんど前進がないと捉えるかは別として、合意は目に見える形のもので、市場は心地よいとする方向に向いている。

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