June 19, 2018 / 7:27 AM / 3 months ago

高まる米中貿易戦争懸念、円高株安が進行:識者はこうみる

[東京 19日 ロイター] - トランプ米大統領が2000億ドル(約22兆円)規模の中国製品に対し10%の追加関税を課すと警告したことに対し、中国商務省は「質的かつ量的な」対応措置を講じると表明。貿易を巡る米中対立が一段と深まった。

 6月19日、トランプ米大統領が2000億ドル(約22兆円)規模の中国製品に対し10%の追加関税を課すと警告したことに対し、中国商務省は「質的かつ量的な」対応措置を講じると表明。貿易を巡る米中対立が一段と深まった。写真は北京で2017年撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)

これを受けて19日の東京市場では日経平均が大幅続落。円も全面高の展開となった。市場関係者の見方は以下の通り。

<楽天証券 チーフ・ストラテジスト 窪田真之氏>

米国と中国との通商問題については、落としどころをみつけて最後は終息させるとの楽観論が一時的に広がり、グローバルでも株価は上昇していた。米国が拳を振り上げることで、固く閉ざされていた中国市場が開かれるポジティブな面があるという期待もあったが、今回の事態に至った。

第1弾の発動は7月6日と、大して時間もない。実際に発動してしまうと、中国経済にとどまらず、米国経済へのダメージが見えてしまう。米国の消費者からみれば消費税引き上げと全く同じだ。

中国側は報復する余地があまりない。農産物に課税すれば中国人民の生活を直撃する。ここは中国政府も一番気を付けているところでもある。本当に報復すれば、相手だけではなく自国にも傷が付く。たびたび物事がひっくり返されているので、最終的に行くところまで行ってしまうのかどうか、市場としても結果をみないと判断できないような状況になっている。

トランプ米大統領にとっては11月の中間選挙へのアピールというのは明らかなので、ここで共和党が勝つかどうかが、一つの転機になる。そこまでは通商問題に対する不透明感が続く可能性がある。対外的な脅威を強めること自体が、トランプ大統領の支持を固めることにつながるのだろう。

世界的に景気は絶好調で、設備投資も盛り上がってきたが、トーンダウンする可能性が出てきた。長期的な観点では日本株には強気のスタンスだが、年後半は上昇の踊り場に差し掛りそうだ。米中間選挙までの間は、日経平均は2万1000円から2万3000円くらいのレンジ相場となるとみている。

<東海東京調査センター 投資戦略部 ストラテジスト 王申申氏>

米国が追加関税を実施すれば、中国も対抗せざるを得ない。ただ、米国から中国への輸出額は2017年で1303億ドル。2000億ドル規模の追加関税に対抗する枠はない。関税率を高めて対抗するのか、中国側の出方が注目される。

米国が強硬姿勢を示すのは、非核化などについて中国による北朝鮮に対する圧力を期待しているからではないか。米朝首脳会談を経て、米国は北朝鮮への直接のルートを得たとの指摘もあるが、首脳会談は中国が望んだシナリオ通りの展開であり、実現にも大きな役割を果たしたとの見方もある。

貿易戦争に発展すれば、世界経済への悪影響も大きく、マーケットも警戒している。ただ、米中の貿易摩擦は、日本やドイツなどにとっては「漁夫の利」的なメリットがあるかもしれない。高い関税を掛けられた品目について、他国から輸入することを選ぶかもしれないためだ。自動車や日用品などは日本からの輸出が増える可能性もあろう。

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