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情報BOX:米議会再開、待ち受ける重要議題とは
2017年9月6日 / 04:48 / 19日前

情報BOX:米議会再開、待ち受ける重要議題とは

 9月5日、夏場の休会が終了して再開された米連邦議会では、大型ハリケーン「ハービー」による被害への対応や、不法移民の子の強制送還猶予政策を撤廃するトランプ大統領の方針も加わり、審議すべき議題が目白押しとなっている。写真は米議会、5月撮影(2017年 ロイター/Aaron P. Bernstein)

[5日 ロイター] - 米連邦政府の債務上限引き上げ期限が9月下旬から10月上旬に迫り、金融市場は米財政運営の動向を懸念している。しかし5日に夏場の休会が終了して再開された米連邦議会では、大型ハリケーン「ハービー」による被害への対応や、不法移民の子の強制送還猶予政策を撤廃するトランプ大統領の方針も加わり、審議すべき議題が目白押しとなっている。

主な議題は次の通り。

●債務上限

債務上限は、連邦政府が財務省証券(国債)を発行して借り入れられる金額を法的に定めたもの。現在の上限は約19兆8000億ドルで、実際の債務に非常に近くなっている。

実際の借り入れ額が上限に達すると、議会が上限を引き上げる必要があり、できなければ政府はデフォルト(債務不履行)に陥る。このため債務上限引き上げ法案は、どんなに遅くても10月上旬までに可決されなければならない。

財務省は9月29日までに議会が債務上限を引き上げなければならないと主張している。ただアナリストの話では、財務省には緊急時の予備財源があるため、2─3週間はデフォルトを回避できるとみられる。

債務上限が引き上げられなければ、政府は支払ができずに債務不履行に陥る。こうした事態はこれまでなかったが、間一髪の状況は何度かあった。2011年8月には、与野党の対立が激しくなったためスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付けを最上位から引き下げ、市場は2週間にわたり2007─09年の世界金融危機以降で最大の混乱をきたした。

●歳出予算法案

議会は9月30日に終了する財政年度の期末前後に翌年度の歳出予算法案を可決すると想定されているが、合意に至らず可決できない場合も多い。

そうなれば議会は通常、現在の歳出予算を短期間延長するつなぎ予算法案を可決する。こうした動きが今月末に起こると予想され、現在の歳出水準が12月まで延長される公算が大きい。

休会明けの議会には、歳出予算法案を通過させるのに約12営業日しか残されていない。このため審議されるのはつなぎ予算案になりそうだ。

つなぎ予算案にすら議会が合意できなかった場合や、議会を通過した歳出予算法案に大統領が拒否権を発動した場合は、政府が閉鎖される。前回の政府機関閉鎖は2013年10月で、期間は約2週間だった。1970年代と80年代、90年代にも合計で17回の閉鎖があった。

●歳出予算案と債務上限の関係

歳出予算と債務上限は本来、別々に審議されるが、今回はセットで取り上げられる可能性がある。一部のアナリストは、議会が両方の問題に同時に対応しようとするかもしれないと話している。

●ハリケーン

議会では現在、大型ハリケーン「ハービー」の被災者に対する支援が最優先事項の1つとなっており、規模は80億ドル程度になると見込まれている。

上院共和党のマコネル院内総務は5日、債務上限の引き上げと政府閉鎖の回避、ハリケーン被災者へ支援の3つが「極めて重要」と指摘し、議会は早期に対処する必要があると主張した。

一部では、ハリケーン被災者への支援とつなぎ予算案もしくは債務上限引き上げが一体化されるとの見方や、3つが何らかの方法で関連付けられるとの観測も浮上している。

●洪水保険プログラム

ハービーの被災者への支援とは別に、国家洪水保険プログラム(NFIP)の期限が9月30日で切れる問題もある。NFIPは、最大で35万ドルの災害をカバーする保険を住宅所有者に提供している。

NFIPの改正を巡っては過去に議会で意見が対立し、改革が難しくなっている。NFIPの更新にハービーがどのように影響するかは、依然として不透明だ。

●不法移民の子への対応

トランプ大統領は5日、子供時代に親に連れられて米国に不法入国した若者に一時的に就労許可を与え強制送還を猶予する制度(DACA)の撤廃を表明した。撤廃実施時期は6カ月先送りして来年3月以降とし、それまでに議会に法的な整備を委ねた。

オバマ前大統領が導入したDACAを通じて全米で滞在資格を得た若者は80万人近くおり、「ドリーマー」と呼ばれている。

議会がドリーマーに対処する措置を講じて早期に法案を可決するか、あるいはより広範な移民制度改革を進めようとするかは、今のところ不透明だ。

●オバマケア

オバマ前大統領が導入した医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃・代替へ向けた共和党の取り組みは頓挫したため、この件で共和党が優先的に動き続ける可能性は低い。だがオバマケアに関連した重要な期限が迫っている。

トランプ政権はオバマケアの保険に加盟した低所得者の医療費負担を軽減する保険会社への支払いを毎月行っており、10月分を支払うかどうかを9月末までに決めなければならない。政権が判断しない場合、議会が支払いを承認するために追加の法案を策定して介入する可能性もある。

●税制改革の審議

トランプ大統領は5日、共和党指導部をホワイトハウスに招いて税制改革法案策定へ向けた話し合いを開始した。改革の概要は早ければ9月11日の週にも公表される可能性がある。

上院共和党は税制改革法案を通過させるに際して、予算調整制度(リコンシリエーション)と呼ばれる特別措置を活用する方針だ。共和党は上院100議席のうち52議席とかろうじて過半数を確保しているが、通常の法案を可決するには60票が必要。予算調整制度を使えば、単純過半数の51票で可決できる。

ただこの制度を使うには、まず2018年度予算法案を可決しなければならず、これまでのところは通過させることができずにいる。

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