April 11, 2018 / 8:45 AM / 10 days ago

コラム:米財政赤字膨張で一段と強まる国債市場の逆風

Tom Buerkle

 4月10日、議会予算局は、今後数年以内に年間財政赤字が1兆ドルを突破し、債務の対国内総生産比が2028年までに100%に迫るとみている。写真は2月、米議会の債務額を表す表示の前を歩くムニューシン財務長官(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

[ニューヨーク 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 膨大(huge)─トランプ米大統領風に発音するならyuge─な財政赤字とはこのことだ。議会予算局(CBO)は、今後数年以内に年間財政赤字が1兆ドルを突破し、債務の対国内総生産(GDP)比が2028年までに100%に迫るとみている。3年物国債入札を翌日に控えた9日に発表されたこうした見通しによって、国債市場に吹く逆風は一段と強まっている。

CBOの見通しで強い印象を受ける要素の1つは、これでもかというぐらい好材料を詰め込んだことだ。CBOは財政推計方法にいわゆる「ダイナミック・スコアリング」を用いており、減税が2028年まで成長率を年間0.75%ポイント近く押し上げ、この間に1兆1000億ドルの税収増をもたらすと見積もった。それでも2013─28年の成長率予想は年間1.7%と、CBOが記した昨年実績の2.6%に届かない。

ところがこうした経済成長がもたらされても、減税と歳出削減のために財政赤字の対GDP比は22年までに5%を超えると見込まれている。第2次世界大戦以降で5%を上回ったのは、08─09年の金融危機後と1980年代のレーガン政権下でそれぞれ一度だけだ。連邦債務の対GDP比は28年に96%に達する見通しで、この水準も第2次大戦直後しか記録されていない。

米政府は金融危機後、景気が深刻に低迷していたために利払い負担が歴史的な軽さとなり、膨れ上がった財政赤字を切り盛りできた。だがそうした状況はもう手に入らない。CBOは、減税によって今年と来年の経済成長は潜在成長率を上回ると予想。米国の消費者は企業に続いて借金を増やしつつある。米連邦準備理事会(FRB)は15年12月以降に政策金利を1.5%ポイント引き上げ、大半の市場関係者は来年末までにさらに5回利上げがあると想定している。

これらの動きが合わさることで、財務省が今週640億ドルの国債の販売を目指す中、市場は大きな試練にさらされる。10年国債利回りは、トランプ氏が大統領選で勝利してから約0.5%ポイント上がり、足元では2.8%の4年ぶりの高水準で推移している。しかし投資家は、さらに高い利回りを要求していく数多くの理由を得た。

●背景となるニュース

*CBOが9日発表した見通しによると、米財政赤字は9月末までの今年度に21%増加して8040億ドルとなり、2020年までには年1兆ドルを突破する。赤字拡大の大半は、議会で昨年12月に成立した税制改革法と今年2月に承認された歳出上限引き上げ法の影響だ。

*CBOによると、減税効果で今年と来年の成長率は約3%に達する。今年から2028年までの成長率は平均で年0.7%ポイントの押し上げ効果が見込まれる。新たな雇用が110万人生まれ、成長加速が今後10年で1兆1000億ドルの税収増をもたらすという。

*ただ全体としては税収が減り、22年までに財政赤字の対GDP比が5.1%に達する。第2次世界大戦後でこうした水準になったのは、08─09年の金融危機の間から後の数年と、レーガン政権下で減税があった1980年代だけだ。連邦債務の対GDP比は今年度末見込みの78%から28年には96%超に上昇し、第2次大戦直後を除けばどの年よりも債務負担がずっと大きくなる、とCBOは警告した。

*財務省が10日発表した3年国債入札(300億ドル)結果によると、最高落札利回りは2.45%で、最高利回り落札比率は90%。最高利回りは前月の3年債入札から切り上がり、07年以降で最も高くなった。11日には10年債210億ドル、12日には30年債130億ドルの入札が予定されている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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