January 22, 2018 / 5:17 AM / a month ago

アングル:ドル急落の背景と今後の見通し

[ニューヨーク 19日 ロイター] - ドルは昨年10%近く下落し、年間で2003年以来の大幅な下げを記録した。さらに年明け後も下げ基調が続き、ドル指数.DXYは最近、主要な通貨バスケットに対して3年ぶりの安値に沈んだ。

昨年以降に進んだドル安の背景と今後の見通しをまとめた。

<ドル安進行の背景>

トランプ氏が2016年11月の米大統領選で勝利すると米景気回復の期待が高まり、ドル指数は一時14年ぶりの高値を付けた。市場では、米経済は欧州や日本、中国を上回る実績を示し、米国の金融政策は他の地域に比べて大幅に引き締めが進むとの見方が広がった。

しかしその後の13カ月間にこうした想定は大々的な見直しに見舞われた。ドルはトランプ政権が経済政策でなかなか成果を出せないことが重しとなり、大統領選直後の上昇から下げに転じた。

半面、約1年にわたり沈滞していたユーロ圏は景気が上向いた。フランスではマクロン大統領が、ドイツではメルケル首相がそれぞれ選挙で勝利、ポピュリズム的右派勢力が台頭するとの懸念が後退し、通貨ユーロが買われる要因となった。

カナダ、英国、日本など他の中銀も金融引き締め策に言及し始め、中国人民銀行までもが金融緩和の見直しに動いた。

幅広い市場でボラティリティが非常に低いことも、資金の安全な逃避先としてのドルの魅力が低下する原因となった。

<今後の見通し>

為替市場はこれまでのところ米中貿易摩擦や北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉などの課題をほとんど織り込んでいない。通商紛争の可能性が高まれば、ドルは長期にわたり下げ圧力にさらされるだろう。

米国でインフレが目に見えて上昇しなければ、米連邦準備理事会(FRB)は利上げに際して自由を奪われ、ドルは下落しそうだ。こうした状況が欧州中央銀行(ECB)がタカ派姿勢を強めるタイミングと重なれば、ドルの下げ幅は大きくなるだろう。

米税制改革の施行に伴う米企業の海外保留利益の本国還流がドルを押し上げると期待している投資家は、長期的にドルが持ち直すとの予想の見直しを迫られる可能性がある。

海外の投資家が保有通貨の分散化を目指せば、こうした動きもドルの重しとなる。国際通貨基金(IMF)が四半期ごとにまとめている、世界の中央銀行が保有する外貨準備の構成通貨に関する統計によると、ユーロなどドル以外の通貨の比率を引き上げるペースは高まっている。

もちろんアナリストの間からは、ドル安は行き過ぎで、ドルに対して過剰に弱気な投資はドルの強気材料が出た場合に踏み上げを引き起こすと警戒する声も出ている。

最近のロイター為替予測調査でも、ドル安局面はまだ終わってはいないが、今年はドル下落の度合いは緩やかになるとの見通しが示された。

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