July 27, 2020 / 1:57 AM / 15 days ago

ドル全面安、4カ月ぶり安値:識者はこうみる

[東京 27日 ロイター] - 7月27日、ドルは一時105.88円まで下落し、3月半ば以来約4カ月ぶりの安値をつけた。

 7月27日、ドルは一時105.88円まで下落し、3月半ば以来約4カ月ぶりの安値をつけた。2009年11月3日、コロラド州で撮影(2020年 ロイター/Rick Wilking)

<FXプライムbyGMO 常務取締役 上田眞理人氏>

前週末からの外為市場は、米中対立の激化が懸念されドル全面安の展開となっている。米国では株安と債券安が同時進行する場面もあり、ドルから資金が逃げているように見受けられる。

米中両国は、貿易交渉についてはできるだけ穏便に事を運ぼうという意識があったもようだが、両国の領事館の閉鎖を巡る最近の対立は政治的な立ち位置に関わるものであり、国交断絶にもつながりかねない深刻な対立に発展している。

こうした変化を市場がかぎ取った結果、ドル全面安となった。ドルから脱出した資金の主な受け皿は、金とユーロだ。

トランプ政権は、選挙のためなら米国の国益にすら配慮しないという矛盾を抱えている。

ドル/円に関する今後のリスクとしては、日米通商交渉においてトランプ政権が改めて強硬姿勢を示したり、問題を蒸し返したりしてくることだ。そうした状況となれば、足元では主流のユーロ買いが、円買いに発展していくだろう。

テクニカル面では、クロス円で円売りが累積していたため円ショートの巻き戻し(円の買い戻し)が起き始めている。しかし、まだ円の買い戻し余地はある。ドル/円で円高が進めば、クロス円でも円の一段高を誘発しかねない。

<SMBC日興証券 チーフ為替・外債ストラテジスト 野地慎氏>

ドルは24日、105.68円まで下落し4カ月ぶり安値をつけた。

ドル/円の下落は一見リスク回避の円買いのようにもみえるが、米国では10年の実質金利がマイナス1%に迫るような「ドル売りのインセンティブ」が生じていることを見落とすべきではないだろう。

ドル売りの誘因がある中、まずはドルの代替資産である金が買われ、金/銅レシオの行き過ぎから銅にマネーがシフトした。そして、貴金属価格と連動性が高い豪ドルが買われた後、欧州復興基金などへの漠然とした期待感からユーロにマネーがシフトしたというのが最近の動きだ。

しかし、豪ドルには冬場である当地での新型コロナウイルス感染拡大のリスクや貴金属価格の過熱感が付きまとい、ユーロには根強い域内対立構造や潜在成長率低下というリスク要因がある。

こうしたリスクに鑑みて、市場では、これらの上値を追うのであれば、同時にドル売りの受け皿を他にも見いだしたいとの意識が強まりやすい。

そこで、強いて言えば慢性的な低インフレで日本の実質金利が高いことや、米中対立の激化懸念からリスク回避の環境下で円が買われやすかった以前の外為市場の行動パターンが蘇り、105円台まで円が買われたとみている。

現在の外為市場では、リスクオンが円安を導きリスクオフが円高を導くという明確な関係はなくなっている。しかし、リスクオフでかつては円高になったという「残像」と、そもそも強いドル売りのインセンティブの中で、ドル/円がさらなる下値を模索する可能性は高まっているとみている。

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