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米国の薬価引き上げ要求、懸念も聞きながら議論=加藤厚労相

 9月22日、加藤勝信・厚生労働相は、ロイターのインタビューに応じ、米国製薬業界による薬価引き上げ要求に対して、今後議論を進めていくと述べた。2018年度の社会保障費の伸びについては5000億円程度に抑える姿勢を改めて示した。写真は都内で8月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 22日 ロイター] - 加藤勝信・厚生労働相は22日、ロイターのインタビューに応じ、米国製薬業界による薬価引き上げ要求に対して、今後議論を進めていくと述べた。2018年度の社会保障費の伸びについては5000億円程度に抑える姿勢を改めて示した。働き方改革や受動喫煙関連など所管の重要法案が早期の解散総選挙で影響を受けるが、解散は安倍晋三首相の専権事項としてコメントを控えた。

米国は高額な新薬の公定価格(薬価)を引き下げるなど日本政府が進める薬価制度改革に対し、警戒感を伝えてきている。加藤厚労相は、「引き上げ要求のきっかけは昨年末に決まった高額がん治療薬オプジーボの引き下げ。非常に高額であり保険・財政・国民に負担を与えるということで見直した」と説明。米側の引き上げ要求については、「中央社会保険医療協議会(中医協)で議論し、私も米国の製薬業界から直接話を聞いている」と指摘し、「米側の懸念もしっかり聞きながら議論していく」と述べた。

政府は財政健全化計画で、2016─18年度を集中改革期間と位置づけ、社会保障関係費の増加を3年間で1.5兆円に抑える目安を盛り込んでいる。18年度の増加幅についても「16年度、17年度ともに5000億円程度に抑えてきており、しっかり対応したい」とした。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、2014年に国債の運用比率を引き上げる代わりに内外株式の比率を従来の12%から25%に引き上げている。今後の変更の可能性について、「GPIF経営委員会で見直しが議論されているとは承知していない」とした。

<解散の大義有無、「国民が決める」>

安倍首相は25日にも記者会見し、28日開催の臨時国会冒頭での衆院解散を表明する見通し。このため臨時国会での提出が予定されている、「働き方改革関連法案」などの重要法案の審議が遅れる公算が大きい。加藤厚労相は解散について「首相が帰国後判断するとされており、コメントは差し控える」と述べるにとどめた。

解散の大義については「それも含めて国民が決める。国民が『大義がない』とみれば、それが(総選挙の)結果となる」との見方を示した。

前国会で提出に至らなかった受動喫煙防止対策法案について同相は、2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向け、作業を急ぐ考えを示した。

同相は受動喫煙対策について20─21日に12の関係団体からヒアリングを行い「幅広く意見を聞かせていただいた」と述べた。そのうえで、大臣就任時に「2020年に向け受動喫煙対策を徹底するため、必要な法案を国会に提出するという指示を受けている。そんなに時間的余裕はないことを念頭に置きながら、さらに内容をつめていきたい」と述べた。

竹本能文、梶本哲史、宮崎亜巳※

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