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コラム

コラム:米雇用統計、FRB議長には労働参加率の低迷が問題

[ワシントン 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は労働市場に関して、大きく制御していないが、大きな責任を負っている。10月の米雇用統計では雇用者数がしっかりと増え、失業率は4.6%に改善した。だが、働いている人と職を探している人の比率は前月比で横ばいとなり、この比率は黒人の間では低下した。その問題が物価上昇と相まって難しい状況をつくり出している。パウエル氏はその状況をつくり出す手助けをしたのだが、修復するのには苦労しそうだ。

 11月8日、 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は労働市場に関して、大きく制御していないが、大きな責任を負っている。写真はテレビ画面に映し出されたパウエル議長。ニューヨーク証券取引所で7月撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)

10月の雇用者数が53万1000人増えたことは、米経済が前月に起きた新型コロナウイルス感染者急増の局面を通り越しつつある状況を示すシグナルだ。雇用者数の増加幅はロイターのエコノミスト調査の事前予想を上回った。ただ労働参加率は2020年2月よりも低い61.6%と慢性的に低迷している。黒人の労働参加率は9月より0.2%ポイント低い61.1%、ヒスパニック系の労働参加率は前月比横ばいの65.7%だった。

学校や託児所が閉鎖されていた際に育児の大部分を担っていた女性は少しだけ労働力として復帰し、10月の労働参加率はわずかに上昇して56%となったが、依然として新型コロナウイルス大流行(パンデミック)前の57.8%より低い水準にとどまっている。

パウエル氏が最大雇用の定義について、格差を是正する方向に見直しているだけに、こうした状況は問題となる。同氏は昨年、パンデミックが女性、有色人種、最も弱い立場にある人たちに最も強い打撃を与えたと説明した。そこで同氏は、これらの層の雇用の大幅な増加を、FRBが政策金利をゼロ近辺から引き上げることを検討する時期の目安とした。だがFRBは、特定の層の雇用に対する影響力をほとんど持っていない。それは政府の政策決定者次第なのだ。

同時に物価上昇の問題は続いている。9月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比4.4%上昇して30年ぶりの高い伸びとなった。賃金は10月に前年同月比4.9%増え、コストを押し上げている。

FRBが物価上昇に対処するための最も明白な手段は政策金利の引き上げだ。FRB議長としての任期が来年2月で満了となり、続投が検討されているパウエル氏は3日、供給網の障害が来年半ばまでに解消されるはずであり、その時までに雇用の最大化が達成される可能性があると述べた。それが実現しなければ、同氏は雇用が低調にとどまる中での物価上昇に直面するかもしれず、依然として多数の女性と有色人種の米国民が職に就けないままとなりかねない。そのときにパウエル氏は厳しい選択を迫られるだろう。

●背景となるニュース

*米労働省が5日発表した10月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より53万1000人増加した。失業率は4.6%と、9月から若干改善した。

*ロイターのエコノミスト調査では、雇用者数は45万人増と予想されていた。10月の労働参加率は前月比横ばいの61.6%だった。

*8月と9月の雇用者数の増加幅は、前回の発表より合計で23万5000人ほど上方改定された。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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