April 20, 2018 / 5:46 AM / 3 months ago

コラム:米国の景気後退入りリスク、2020年までに増大か

[ロンドン 19日 ロイター] - エネルギー市場の専門家は、米国経済が景気後退に陥る確率は来年末までが40%、2020年末までなら50%強になると予想している。

 4月19日、エネルギー市場の専門家は、米国経済が景気後退に陥る確率は来年末までが40%、2020年末までなら50%強になると予想している。写真は2017年11月、ニューヨークの復員軍人の日のパレードで米国旗を掲げる人々(2018年 ロイター/Eduardo Munoz)

これはロイターが13─17日にエネルギー市場専門家7000人に調査票を送り、700人から得た回答の結果だ。さまざまな意見が寄せられたが、米経済が年内に景気後退に見舞われるリスクは小さい半面、来年ととりわけ20年はリスクが著しく増大するとの声が大勢だった。

原油の消費量や価格を左右する最も重要な材料の1つが世界経済の動きであるだけに、石油輸出国機構(OPEC)やその他の供給者にとって世界経済の見通しは計算要素に欠かせない。

そして米経済が世界経済の活動に占める割合は2割弱とはいえ、米国が景気後退に突入すれば他の地域が力強く成長する公算は乏しいため、普通は米国が世界経済の代理変数として使われる。

景気・貿易循環の転換点予測はその難しさが良く知られている。ただ現在の世界的な景気拡大は成熟化の兆しが増えており、貿易摩擦の拡大が下振れリスクを生んでいるのは間違いない。

OPECや他の生産者は、来年と20年の原油消費・価格を見通し上で、米国の景気後退と世界経済の減速が起きる確率が高まっている状況を考慮に入れる必要がある。

<長期間続く景気拡大>

全米経済研究所(NBER)の景気循環判定委員会によると、米国の今の景気拡大が始まったのは09年7月で、既に106カ月が経過。5月まで続けば過去2番目の長さとなり、来年7月までなら1990年代に記録した過去最長を更新する。

こうした拡大は、世界全体で一斉に生産や貿易の活動が上向き、原油をはじめとするコモディティの消費を押し上げている構図の一部でもある。

世界経済は前向きの勢いが広がり続けていることを示しており、国際通貨基金(IMF)の見立てでは今年と来年も健全さを保つ。IMFが示した今年と来年の世界経済の成長率見通しはそれぞれ3.8%と3.9%だった。

また世界貿易機関(WTO)のデータでは、世界の貿易量も昨年の伸びが2011年以降で最高になった。WTOは、今年から来年にかけてもほぼ同じような伸びが期待され、世界金融機以降で最も長い貿易拡大局面になると予想する。

<北米と他地域で温度差>

景気や貿易の拡大は当面かなりの勢いがあるので、短期的には確実に持続するはずだ。しかし来年と20年まで持ち越されるかどうか不安が増してきている。

WTOとIMFはいずれも、米国と中国の通商面における緊張の高まりに起因する下振れリスクに警戒感を表明した。

米中両国が最近、輸入関税を課す意向を相互に打ち出しているのは脅しの側面が相当強いため、貿易戦争が本当に起きるリスクを見積もるのは難しい。

とはいえ実際に輸入関税が導入されなくとも、不透明感の増大は企業の信頼感や投資計画に打撃を与えかねない。

今回の調査では米中貿易摩擦が世界経済の成長に悪影響を及ぼすかどうかで見方がほぼ二分した。今年から20年にかけての経済成長が痛手を受けると答えたのが約48%、打撃にはならないもしくは分からないとしたのが52%だった。

北米の回答者は他の地域よりも懸念の度合いがやや小さく、世界経済にとって貿易摩擦は有害だとみているのは45%にとどまった。対照的に他の地域の回答者を見ると、貿易摩擦は成長に打撃だと考える割合は53%に上った。

北米では、輸入関税の脅しを交渉戦術の一環とみなしたり、関税が国内経済にプラスと判断して比較的楽観的なのかもしれない。他の地域の不安がやや強いのは恐らく、計算違いが起きたり信頼感に悪影響を及ぼすリスクへの心配がより大きいからだろう。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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