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コラム

コラム:米大統領選、投資家は結果判明大幅遅れへの備え必要

[サンフランシスコ 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 今年の米大統領選の結果判定作業がもつれることを心配している投資家は、数カ月に及ぶ市場の混乱に備えて対応策を練った方がよい。20年前の「ブッシュ対ゴア」の対決は、一大事には至らなかった方だ。今回は19世紀後半の混乱した、際どい対決に近い状態になるもしれない。このときは勝者が決まったのが就任式直前の3月だった。

 9月25日、今年の米大統領選の結果判定作業がもつれることを心配している投資家は、数カ月に及ぶ市場の混乱に備えて対応策を練った方がよい。写真はフロリダ州ジャクソンビルの空港で選挙集会を行うトランプ大統領。24日撮影(2020年 ロイター/Tom Brenner)

民主党候補のバイデン前副大統領と現職のトランプ大統領は法廷闘争に向けて備えを強化している。バイデン氏は法務チームを増強。トランプ氏は23日、大統領選で敗北した場合に「平和的な政権交代に応じるか」との質問に「何が起きるかを見る必要がある」と答え、明言を避けた。

大統領選後に市場がどのように反応するかのシナリオを作成するのに2000年の事例を使えば、リスクを過小評価してしまう。当時、共和党候補ジョージ・W・ブッシュ氏と民主党候補アル・ゴア氏による対決は、フロリダ州での再集計にもつれ込み、決着まで5週間を要した。S&P総合500種指数はその間に約8%下落。連邦最高裁はフロリダ州の再集計の中止を命じてブッシュ氏に有利な判断を示し、ゴア氏は12月13日に敗北を認めた。ゴア氏は有権者の得票総数ではリードしながらも、獲得した選挙人票で4票及ばなかった。

1876年の大統領選は、決着までにずっと長い期間を要した。民主党候補サミュエル・ティルデン氏は有権者の得票総数で共和党候補ラザフォード・ヘイズ氏を上回ったが、4州におけるヘイズ氏の選挙人票が論争となった。フロリダなど3州の政府は、双方を勝者とする選挙人認定証書を連邦政府に提出した。内戦勃発が懸念される中、連邦議会はこの問題を決着させるため、1877年1月に委員会を設置した。妥協の結果、3月2日にヘイズ氏の勝利が確定した。当時の就任式期限の数日前だった。暴動のリスクを避けるため、ヘイズ氏の就任式は非公開の場で行われた。

今回の大統領選に話を戻すと、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う郵便投票の導入により、同じような事態となる可能性が高まっている。ミシガン州やペンシルベニア州など、知事は民主党だが州議会は共和党が多数派となっている激戦州では、選挙人確定の期限である12月8日までに集計が終わらないかもしれない。

そうした事態は、州政府がバイデン、トランプ両氏を勝者とする選挙人認定証書を提出して判断を連邦議会に委ねる動きを誘発する可能性がある。議会における各党の勢力が現在のように分かれていれば、次期大統領の指名がさらに遅れることになりかねない。そのほか、法定闘争に持ち込まれる展開も考えられ、そうなれば決着がさらに遅れてしまう。

テクノロジーが緊張を過度に高める可能性もある。フェイスブックなどのソーシャルメディア上で拡散した偽情報は、混乱を誘発し、暴動さえ引き起こす恐れがある。そうした状況により、投資家は選挙結果が確定しない可能性を一段と深刻な問題として想定しなければならなくなっている。

●背景となるニュース

*バイデン前副大統領は11月3日の米大統領選の結果を巡る法廷闘争の可能性に備え、法務チームを増強した。バイデン陣営が9月14日に明らかにした。トランプ大統領は23日の記者会見で、大統領選で敗北した場合に「平和的な政権交代」に応じるかとの質問に、「何が起きるかを見る必要がある」と答え、明言を避けた。

*バイデン陣営によると、かつて合衆国訴務長官だったドナルド・ベリッリ氏とウォルター・デリンジャー氏が特別訴訟部門を統括し、エリック・ホルダー元司法長官が投票権の利害関係者との対話の誘導を支援する。選挙と有権者保護を専門とする他の弁護士も陣営に加わっている。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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