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コラム

コラム:米2月雇用大幅増の裏にある労働市場の根深い問題

[ワシントン 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国の労働市場の回復は、見かけほど強くはない。2月の非農業部門雇用者数が37万9000人増えた主な理由は、新型コロナウイルス感染防止の規制措置が緩和され、それまで一時解雇されていた労働者が再雇用されたことにある。しかしパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、完全雇用まで相当長い道のりを覚悟していることを示唆する証拠が山ほど存在する。

3月5日、米国の労働市場の回復は、見かけほど強くはない。写真は2020年11月、ニューヨークえ、昼食後に職番に戻るための検温の列に並ぶ建設現場の作業員ら(2021年 ロイター/Carlo Allegri)

2月の非農業部門雇用者数の伸びは、ロイターがまとめたエコノミスト予想の2倍に達し、失業率も1月から小幅低下して6.2%となった。最も雇用が増えたのは、冬のロックダウン(制限措置)再導入で痛手を受けたセクターで、娯楽・接客は35万5000人増、小売りは4万1000人増だった。労働参加率は横ばいの61.4%。これらで考える限り、労働市場は申し分ない。だが他のデータは別の状況を教えてくれる。

例えば長期失業者数は1月とほぼ変わらず、約410万人だ。生産年齢人口に占める雇用者の割合は1年前の61.1%から57.6%に下がった。さらに、やむなく非正規で働く人など不完全雇用者を含めた、実質的な失業率は11.1%だ。

人種や学歴での雇用格差も鮮明だ。黒人の失業率は1月に下がったが、2月は再び上昇に転じて9.9%となったのに、他の人種グループは白人が5.6%、中南米系が8.5%にそれぞれ低下。高卒資格のない人の失業率は10.1%だったが、大学卒以上の学歴保有者は3.8%にとどまった。

トランプ前大統領と異なり、バイデン大統領は雇用統計結果について勝ち誇るような態度は見せていない。それどころか大統領経済諮問委員会はブログで、雇用者数は昨年2月よりまだ950万人も少なく、雇用水準が新型コロナウイルスの大流行前に戻るには今回の増加ペースならあと2年余りかかると厳しい評価を下した。

パウエル氏は、FRB議長として推進している完全雇用において、社会のあらゆる層の人々に経済成長の恩恵を行き渡らせると強調している。4日には、米経済がそうした目標に到達するにはなお程遠く、FRBは利上げを急がないと念を押した。最新の雇用データは、パウエル氏の見解の正しさを一段と裏付けている。

●背景となるニュース

*米労働省が5日発表した2月の非農業部門雇用者数は前月比37万9000人増だった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は18万2000人増。労働参加率は1月と同じ61.4%となった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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