[サバンナ(米ジョージア州) 9日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は9日、トランプ政権の通商政策を巡る先行き不透明性が米経済にとり「最も明白なリスク」となっており、これにより企業投資が抑制されている可能性があるとの見方を示した。
同総裁はジャクソンビル・ワールド・アフェアーズ・カウンシルで、自身が統括する地区の企業幹部とのやりとりから、法人税減税の影響が通商を巡るリスクで相殺される恐れがあるとの考えから投資が先送りされている可能性があることが示唆されていると指摘。
「年初にみられた税制を巡る楽観的な見方は、現在は関税措置や貿易戦争の可能性を巡る先行き不透明性にほぼ完全に置き換わっている」とし、「多くの企業が新規設備投資を巡り様子見姿勢をとることで先行き不透明性に対応しようとしているとの感触を得ている」と述べた。
また、消費者の消費活動についても、所得税減税で活性化しているようにはみえないとの見解を示した。
ただ、今のところは米経済は潜在力を超えて成長しているようにみえると指摘。インフレ率は連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%を大きく上回り、「しばらく」その水準にとどまる可能性があるとし、インフレ率が目標を下回る時期が長期化しているため、目標を上回ったとしても喫急の問題とはならないとの立場を示した。