February 9, 2019 / 11:13 PM / 10 days ago

コラム:全米で人気の「フードトラック」、甘くない経営の現実

[ニューヨーク 5日] - 午前9時から午後5時までの退屈な仕事に就き、料理が得意な人ならば、誰でも1度は自分で「フードトラック」をやってみたいと考えたことがあるのではないか。

2月5日、午前9時から午後5時までの退屈な仕事に就き、料理が得意な人ならば、誰でも1度は自分で「フードトラック」をやってみたいと考えたことがあるのではないか。米カリフォルニア州ベニスのフードトラックのイベントで2014年11月撮影(2019年 ロイター/Jonathan Alcorn)

トラックで旅に出て、音楽フェスティバルでおいしい食べ物を提供する。独立経営者になれるのだ。

フードトラックを経営すれば、確かにこれらのことが全て実現する。だが同時に、駐車違反の罰金や保健所の許可、イベント主催者に支払う高額な場所代、故障した機器の修理に、汗まみれのきつい労働など、バラ色ではない側面もたくさんある。

コネチカット州ハートフォードでフードトラックを経営するジル・モスカイツさんも、そのことを学んだ1人だ。夫のジョシュさんと共に、「ザ・ホエー・ステーション」というフードトラックを8年近く経営し、最高においしいグリルドチーズ・サンドイッチを作り続けている。

ハートフォードの「ベスト・フードトラック」や、コネチカット州の「ベスト・グリルドチーズ」にも選ばれたことがある。テレビの料理競技番組でチャンピオンにも選ばれた。

「すごくエキサイティングな生活だけれど、頑張って働く意欲がないとだめ。すごく大変な仕事だから」と、今ではフードトラック3台のほかに、同州ミドルタウンで実店舗を経営するモスカイツさんは言う。

事業が軌道に乗り、単独でやっていけるようになるまで、丸3年かかったという。

同じような成功を夢見るシェフ志望者は多い。調査会社IBISワールドによると、全米では4000台以上のフードトラックが営業している。2017年の全体の売り上げは10億ドル(約1090億円)規模とされ、この5年間、毎年7.3%ずつ成長してきた計算になる。

個々の店の売り上げは、提供している食べ物や場所によって異なる。IBISワールドによると、平均すると人件費に38.7%、食材の調達に39.7%が持っていかれる。利益率は7.7%だ。売上高が20万ドルなら、もうけは1万5400ドルにしかならない計算だ。

フードトラックをやりたい人が、経済的に成功するにはどうすればいいのか。経験者らに聞いた。

●1種類のフードに特化し、おいしく作ろう

多くの場合、フードトラックは「一般化」しようとして失敗している。

「この町だけで、すぐにつぶれたフードトラックを15─20件は見てきた。店のコンセプトがはっきりせず、勘だけを頼りにやっていた」。テネシー州チャタヌーガで特製フライドチキンを提供するフードトラックを経営しているブルース・スミスさんはこう話す。

ひとたび看板商品が決まれば、ツイッターでフォロワーを増やしたり、おいしそうに撮った写真をインスタグラムに掲載したり、地元の食材生産者と提携してメディアに登場したりするなどして、自分の店のブランドを築くことができるだろう。

●最初は小さく始めよう

一番大きくて一番良いトラックを買いたいと考えるのが自然かもしれない。

トラックの購入費用は、場所や州の規制によって大きく異なる。テキサス州なら4万ドルあれば新車が手に入るが、カリフォルニア州では、改造車の価格が11万─17万ドル程度になると、全米フードトラック協会のマット・ゲラー最高経営責任者(CEO)は言う。

だが最初は、手ごろな価格の車体を探すか、リースするのがいいだろう。例えば、チャタヌーガのスミスさんは、2万5000ドルで買った自分のトレーラーを使って手堅く始めた。

ザ・ホエー・ステーションも、ぼろぼろの車体で始めたという。

「私たちのトラックは本当にかっこ悪くて、他の経営者に笑われた。でもイベントが始まって1時間もたつと店の前に行列ができて、笑う人は誰もいなくなった」と、モスカイツさんは振り返る。

●イベントには気を付けよう

イベント主催者は、フードトラックを金づるとして見るようになっており、大きな分け前を持っていく。それにより、もうけを出すのがほとんど不可能になっている。かといって、採算を取るために価格を上げれば、忠実なファンにそっぽを向かれるリスクがある。

「20%以上要求してくるイベントには注意しよう」と、スミスさん。「最近では30%を要求してくるところもある。自分ならそんなところには寄り付かない」

●コストを全部計算しよう

食材以外のコストの高さには、驚く人がほとんどだろう。

燃料費や人件費、保険料や各種許可手数料、電気代に駐車料金などが積み重なって大きなコストとなる。ロサンゼルスやオレンジ郡では、10─15種類もの営業許可を取らなければならず、販売許可を得るだけで1700ドルかかると、ゲラーCEOは言う。

コネチカット州では、イベントや町ごとに営業許可を取る必要があったため、モスカイツさんは手数料に年間計6000ドルも費やした。

それでも、その価値はあったという。その後、ザ・ホエー・ステーションの売り上げは、毎年5万ドルずつ増えている。

*筆者はロイターのコントリビューターで、個人的見解に基づいて書かれています。

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