January 9, 2018 / 8:16 AM / 6 months ago

米FRBバランスシート縮小、損失出た場合の批判回避に有用=報告書

[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は昨年10月、米経済が金融危機から回復し中銀による支援の必要性が低下したことを背景にバランスシートの段階的な縮小に着手したが、8日に公表された報告書で、バランスシートが小さい方が保有債券による損失が出た場合などに身を守りやすくなるとの考えもあることが明らかになった。

 1月8日、米連邦準備理事会(FRB)は昨年10月、米経済が金融危機から回復し中銀による支援の必要性が低下したことを背景にバランスシートの段階的な縮小に着手したが、公表された報告書で、バランスシートが小さい方が保有債券による損失が出た場合などに身を守りやすくなるとの考えもあることが明らかになった。 写真はワシントンで2012年4月撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

報告書はFRBのエコノミスト5人と外部の大学教授1人が作成。FRBがバランスシートの規模を現行水準に維持した場合、将来的に約30%の確率で損失が出ると試算した。ただ、いわゆるリザーブ・バランスを1兆3000億ドル以上縮小させれば、損失が出る確率は5.0%以下に低下すると試算している。

報告書はFRBの現在のバランスシート縮小計画について、1)ポートフォリオ安定化に向け2021年まで一部資産を縮小する、2)同様の措置を22年まで実施する、3)ポートフォリオが危機前の水準に戻る23年まで実施する──の3つのパターンについて分析。

バランスシートを縮小させれば財務省への国庫納付金の原資となる利益は減少するが、銀行に対する超過準備への付利も減少すると指摘。他方、FRBが大規模なバランスシートを維持すれば、債務の対国内総生産(GDP)比率は抑制されるとも指摘した。米国の債務の対GDP比率は現在は約106%と、06年の62%から上昇している。

FRBは12年以降、財務省に毎年790億─970億ドルの国庫納付金を納入。納付金は今後は減少していくとみられているものの、FRBが危機対策として導入した債券買い入れ策から納税者は思いがけない恩恵を受けている。

報告書は、純損失を出す可能性を含む財務省への国庫納入金を巡るボラティリティーに関連し「FRBは政治・経済上の懸念に対応する必要がある可能性がある」と指摘。報告書は必ずしも当局者の見方を反映するものではないが、FRBの考えを推し量る上でヒントとなる公算がある。

FRBのバランスシートは金融危機・景気後退前の07─09年は9000億ドル程度に過ぎなかったが、その後、危機対策として約3兆5000億ドルの国債やモーゲージ担保証券(MBS)を買い入れた。 バランスシートについて、次期FRB議長に就任するジェローム・パウエルFRB理事は昨年6月、最終的には2兆4000億─2兆9000億ドルに縮小すると示唆する報告書に言及している。

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