April 18, 2018 / 1:47 AM / a month ago

コラム:FRBには配慮か、トランプ氏が控えた「劇場型人事」

Richard Beales

 4月16日、トランプ米政権の動きは、トランプ大統領が経営者時代に司会を務めたリアリティ番組「アプレンティス」のシーンと時として区別がつかなくなることがある。写真は3月、副議長候補に指名される予定の米債券運用大手PIMCOの幹部でコロンビア大教授のリチャード・クラリダ氏。PIMCO提供(2018年 ロイター)

[ニューヨーク 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米政権の動きは、トランプ大統領が経営者時代に司会を務めたリアリティ番組「アプレンティス」のシーンと時として区別がつかなくなることがある。

この番組はトランプ氏の下でビジネスをする希望者を募り、同氏が彼らを次々にこき下ろして不採用にしていく内容だ。制作サイドがあえて対立風景を演出する様子は、例えば科学に懐疑的なスコット・プルイット氏を米環境保護局(EPA)長官に送り込んだやり方と大差はない。

だが米連邦準備理事会(FRB)の幹部となると、さすがにホワイトハウスもそうした劇場型の人事はこれまで慎んでいる。

その流れは、トランプ氏が提案した2人のFRB幹部人事案でも明白に表れた。

副議長候補には米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)の幹部でコロンビア大教授のリチャード・クラリダ氏、理事候補にはカンザス州銀行監督当局のミシェル・ボウマン氏がそれぞれ挙げられたが、いずれも行動が予測可能で、大方の想定通りの人選だ。

2月に就任したパウエル議長の起用も同様で、ジャネット・イエレン前議長の再任という形を除けば、トランプ氏が採り得る選択肢の中で最も無難だった。

クラリダ氏が最近記したPIMCOのブログが判断基準になるとすれば、2015年12月にイエレン前議長の下でFRBがゆっくりと開始し、年内にペース加速が見込まれている利上げについて、クラリダ氏は驚きも懸念もしていない。

そのクラリダ氏が副議長になれば、パウエル氏以外ではニューヨーク連銀総裁とともに連邦公開市場委員会(FOMC)において発言が最も影響力と持つことになる。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は今年退任予定で、次期総裁にはサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁が指名されている。

一方、ボウマン氏は2014年以来空席となっている地域銀行分野の経験を持つ理事のポストを埋める見通し。米独立地域銀行家協会(ICBA)はこの人事案を歓迎する意向を表明した。要するに、世界中の投資家は米金融政策の見立てを考え直す必要性はほとんど、いや多分全くないだろう。

恐らくはこの点こそが重要な意味を持つ。

FOMCへの信頼と彼らが「サプライズをもたらさない」という姿勢が、米経済と金融市場を支えている。

トランプ氏もそれなりに賢明で、同氏のアドバイザーも粘り強く進言を続けたため、FRBという巨大タンカーの座礁を避けることができた。もっと小さな事案ではトランプ氏がいろいろと混乱を巻き起こしているが、少なくともFRBに関しては、台本なしで何が起きるか分からないリアリティ番組ではなく、みんなが知っている内容の再放送ということだ。

●背景となるニュース

・トランプ大統領は16日、PIMCO幹部で経済学者のリチャード・クラリダ氏と、カンザス州銀行監督当局のミシェル・ボウマン氏をFRB幹部に指名する意向を表明した。

・ホワイトハウスの声明によると、上院が承認すればクラリダ氏はFRB副議長に、ボウマン氏はFRB理事に就任する。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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