[ワシントン 10日 ロイター] - 米国はトランプ大統領の就任2年目に当たる2018年に健康保険の未加入者の比率が10年ぶりに上昇する一方、家計所得はほとんど前年と変わらなかったことが、米国勢調査局が10日公表した年次調査で分かった。2020年米大統領選の争点になりそうだ。
昨年の健康保険未加入者は約2750万人、比率は8.5%で、未加入者が前年から約200万人増加し、比率も7.9%から上昇した。未加入者の比率が上昇したのはリーマン・ショック後のグレートリセッション(大不況)以来。健康保険は14年の医療保険制度改革法(オバマケア)施行以来、加入者の増加が続いていた。
未加入者が急増したのは例えばヒスパニック系住民の子どもたちや、収入が貧困水準を大幅に上回っているミドルクラス。地域的にはミシガンやオハイオなど大統領選の激戦州だった。
メディケア(高齢者向け公的医療保険)の加入者数の比率は0.7%ポイント低下した。
国勢調査局の担当者は、公的健康保険の加入者比率の低下が健康保険全体の加入者減に寄与したのは間違いないと述べた。
一方で、昨年はトランプ大統領の大規模減税などが経済成長率を押し上げたが、米家計の昨年の所得の中央値は6万3179ドルで、前年の6万2626ドルから統計的に有意な差はなかった。
民主党支持層が住むことの多い大都市の家計の収入は5.4%増加し、統計的に有意な差が見られた。しかしトランプ大統領の最大基盤である地方と大都市近郊では差がなかった。
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