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コラム

コラム:米大統領選未決着、巨大IT銘柄が一層の「安全資産」に

[ロンドン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米大統領選の決着がつかないことで、安全な投資先として大手ハイテク株の信用度が高まりつつある。フェイスブックFB.Oなどの銘柄は、開票作業の序盤段階から他のセクターをアウトパフォームしている。今後、政治情勢がこう着すれば巨大IT企業が独占禁止法(反トラスト法)の面で、厳しく追及されにくくなりそうだ。

11月4日、米大統領選の決着がつかないことで、安全な投資先として大手ハイテク株の信用度が高まりつつある。写真はグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、ネットフリックスアプリ。2019年12月撮影(2020年 ロイター/Regis Duvignau)

大統領選は明確な勝者が現れず、不透明な状況が数週間続くかもしれないし、トランプ大統領が選挙結果を巡って連邦最高裁まで徹底的に争う構えを見せていることは、騒動の火種となり得る。

一方、米10年国債利回りUS10YT=RRが10ベーシスポイント(bp)余り低下して0.8%前後になったのは恐らく、民主党が大統領選と議会選で完勝できず、大規模な経済対策が打ち出される可能性が後退したことを物語っている。だが、こうした混沌の中で、ナスダック総合.IXICは約4%上昇した。

本来はどちらかと言えばリスクが高いハイテク株が「安全資産」となったのは、今回が初めてではない。新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した今年3月にいったん値下がりしたフェイスブック、アマゾンAMZN.O、アップルAAPL.O、ネットフリックスNFLX.O、アルファベットGOOGL.O子会社グーグル、いわゆる「FAANG銘柄」はすぐに持ち直し、ずっと変わらない安全資産である金よりも堅調な値動きを見せた。FAANGの年初来上昇率は平均で50%、金は25%、S&P総合.SPX500種は7%だ。

この好成績ぶりは、大手ハイテク企業の事業モデルが一因となっている。ロックダウンは在宅勤務やネット通販利用、面白い動画の視聴を促し、ハイテク企業が手掛けるそうしたサービスへの需要を高めた。

このため金融、工業、石油・ガスなどのセクターが軒並み来年の大幅減益を予想するのをよそに、ハイテクの業績見通しはほとんど下振れていないことが、FTSEラッセル・リサーチのデータから分かる。

そして、今回の選挙も追い風になる可能性がある。投資家は、バイデン前副大統領が大統領選に勝利し、上下両院も民主党が過半数を確保すれば、増税に動きやすくなるだけでなく、幾つかの巨大IT企業の解体さえ狙うだろうと恐れていた。

だが、もはやそうした展開は実現しそうにない。巨大IT企業にとって次の4年間は、懸念していたほど厳しい局面にさらされないかもしれない。

もっとも、絶対安全とは到底言い切れない。例えば、トランプ政権が既にグーグルを独占禁止法(反トラスト法)違反で提訴しており、党派対立が鮮明な議会であっても締め付けはできる。

また、トランプ氏は絶え間なくツイッターTWTR.Nを利用しているとはいえ、アマゾンには好意を持っていない。FAANGは最近下押したものの、株価収益率(PER)はなお、すう勢的な利益の43倍と、S&P総合500種の28倍を大きく上回っている。

それでも投資家が安全性の対価として、マイナス0.65%の利回り、つまりわざわざこちらから「手数料」を払ってまでドイツ10年国債DE10YT=RRを買おうとするぐらいなら、市場で支配的な地位を築き、成長を続けるハイテク銘柄を保有する方が、よほど安心なはずだ。

●背景となるニュース

*大統領選投票日翌日の4日にフェイスブック、アルファベット、アップル、ネットフリックス、アマゾンの株価は軒並み上昇した。

*ハイテク株の比重が大きいナスダック総合の上昇率は3.9%で、S&P総合500種の2.2%を上回った。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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