[8日 ロイター] - 米労働省が8日発表した9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19万4000人増と、市場予想の50万人増を大きく下回る伸びとなった。市場関係者の見方は以下の通り。
●軟調だが年内の緩和縮小開始は変わらず=LPL
<LPLフィナンシャル(ノースカロライナ州)のシニア市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏>
米連邦準備理事会(FRB)は年内にテーパリング(量的緩和の縮小)に着手する公算が大きい。
軟調な結果になったが、壊滅的にひどい結果ではない。壊滅的ならテーパリング着手の延期につながる可能性があるが、経済の他の部分がなお健全な状態にあるため、年内にテーパリングが開始される公算はなお大きい。
この時期の雇用統計は例年、振れが大きくなる傾向がある。軟調な結果になったが、1カ月後に上方修正される可能性がある。
●失望的な結果でも緩和縮小軌道から外れず=スパルタン
<スパルタン・キャピタル・セキュリティーズ(ニューヨーク)のチーフ市場エコノミスト、ピーター・カルディリョ氏>
残念な結果だった。失業率は低下したが、労働参加率の低下が背景にある。全般的に見て、軟調だった。
賃金も上昇した。このことは、将来的に賃金に上昇圧力がかかることを示している。
ただ、連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の縮小)が軌道から外れる公算は小さい。
●「適切」基準をぎりぎりクリア=バンク・オブ・ザ・ウエスト
<バンク・オブ・ザ・ウエストのチーフエコノミスト、スコット・アンダーソン氏>
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の「適切」というハードルをぎりぎりクリアしていると思う。引き続き11月のテーパリング(量的緩和の縮小)発表が最も可能性が高いだろう。
テーパリングのタイミングは1つの経済指標だけに振り回されるべきではない。FRBはインフレ率、賃金上昇率、労働力不足の問題など幅広い分野のデータを考慮するだろう。
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