January 3, 2019 / 11:42 PM / 16 days ago

米市場でリスクオフ鮮明に 日本株も下落:識者はこうみる

[4日 ロイター] - 年明け前場の東京株式市場では、日経平均が大幅続落。下げ幅は一時700円を超えた。3日に対ドルで一時104円台まで急騰した円は、正午には108円台まで水準を戻したが、不安定な値動きが続いている。大荒れとなった3日の米国市場を受けたもので、株式市場はアップルの売上高見通し下方修正などを受けて中国・世界経済の減速懸念が強まり急反落し、米債券利回りは急低下した。市場関係者の見方は以下の通り。

 1月4日、年明け前場の東京株式市場では、日経平均が大幅続落。下げ幅は一時700円を超えた。写真はNY証券取引所のトレーダー。3日撮影(2019年 ロイター/Shannon Stapleton)

●不安定感残す、一時的に1万9000円割れも

<三井住友アセットマネジメント シニアストラテジスト 市川雅浩氏>

年が明けても不安定な地合いが続いている。中国の製造業PMIが50を割れ、米ISM製造業景気指数も市場予想を下振れた。米中景気に対する不透明感の強まりが大きい。さらにマーケットは先々の米国の利下げをも織り込み始めている状況だ。米雇用統計が弱い内容となった場合の反応は大きくなりそうだ。

知的財産権保護などを巡る米中協議の着地点が明確にならない限り、市場が落ち着きを取り戻すのは難しい。FRB(米連邦準備理事会)がバランスシートの縮小ペースを落とすなど、ハト派的な動きが出るかどうかもポイントとなるだろう。

日経平均の今年のレンジについては下が1万9000円、上が2万4000円、年末は2万2000円での着地とみている。相場に勢いがあるため一時的に1万9000円を下回る場面も考慮しなければならない。1─3月で下を固め、夏場は横ばい、年末にかけて若干戻すといった展開を想定している。

今年は上振れの余地が小さくなりそうだ。米中ともに景気の腰折れはおそらく回避できるとみているが、減速方向にはある。景気敏感型の日本株を積極的に買う姿勢は限定的となるだろう。米金利が低下傾向にあり、為替面でも追い風も見込みにくい。

一方、日銀はしばらくは動けないとみている。多少マイナス金利に入ったとしても、今の姿勢を続けていくだろう。日銀によるETF(上場投信)買いへの期待が日本株の下値を支える構図も続きそうだ。

●ドル105─110円へレンジ切り下げ

<トレイダーズ証券 市場部長 井口喜雄氏>

前日のドル/円急落に、特段の手がかりは見当たらない。アルゴリズムやAIを駆使するモデル系ファンドなどが日本勢不在の中、最近の安値を割り込んでいたドル/円の下値に控えるストップロスを狙って売りを仕掛け、素早く買い戻したというところだろう。

実際、ドルは急落直後すぐに切り返しへ転じ、下げ幅の3分の2近くを速やかに埋めた。昨年来ドル/円は値動きが鈍く、取引レンジ下限では買い持ちが増える傾向があったので、薄商いの中でそこを崩された形だ。

昨年来のレンジ下限だった110円付近を割り込んだことで、ドルはコアレンジを105─110円付近へ切り下げたと見ている。米国では利上げ見送りの可能性が高まっており、ドルは上値の重い展開となりやすい。

下値では国内実需などの買いが入りやすいため、大幅安も見込みにくい。だが、今年は年初からボラティリティーが上昇しており、個人投資家も昨年までのような逆張りスタンスのみでは、痛い目にあうかもしれない。小さめのポジションで細やかな資金管理を心がけたいところだ。

●リセッション回避なら買い場

<ルーソルド・グループ(ミネアポリス)の首席投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏>

市場急落の背景には経済がリセッション(景気後退)に陥るかどうかという重要な問題がある。

市場の急落後には安値を試す展開となる見込みで、これらの水準超えを維持できるかどうかを確認しなければならない。さらに経済が減速しているだけなのか、リセッションなのか見極めなければならない。この2点の確認にはおそらく、しばらく時間がかかるだろう。

今後数カ月にかけて状況が明らかになっていくだろう。

問題はリセッションを回避できるかだ。もしそうなら、おそらく買い場だ。

●期待外れの経済指標、景気後退の確度高める

<CFRAリサーチ(ニューヨーク)の首席投資ストラテジスト、サム・ストバール氏>

アップルのニュースによって、投資家が考えていたことが確認された。貿易戦争を背景とする中国の国内総生産(GDP)成長率の問題だ。

中国の成長鈍化は予想されていたが、きょう発表された予想を下回るISM製造業景気指数は投資家を驚かせた。米国は嵐の中で唯一のよりどころとみられているためだ。しかしいまや米経済成長は貿易に関する逆風に直面している。

エコノミストの多くは世界経済のリセッション(景気後退)入りを予想していないが、期待外れの経済指標はその見通しを揺るがすだろう。

●中国で製品販売する企業はいずれもリスクに直面

<インバネス・カウンシル(ニューヨーク)の首席投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏>

先物は昨日時点で2019年の利上げ確率がほぼゼロ%との見方を織り込んでいた。景気について懸念があり、アップルが抱える中国事業の問題は現実的な経済の弱さを露呈し、中国で販売を行っているいかなる企業も危険にさらされているとの見方がある。

市場は恐怖心に覆われている。アップルの話がなければ、今日は下げる必然性はなかったと思う。ISMは悪い内容だった。今後は弱い指標が一部でみられることなるだろう。問題なのはリセッション入りするのか、それとも不安心理だけで動いているのかということだ。

世界的に、欧州にせよ中国にせよ情勢は良くない。ドル高や米金利は助けにならない。

足元の状況は悪化しており、経済指標やアップルの業績にもそれが表れている。近い将来にこれが反転する感じはしない。

●FRBは一段の再考必要、来四半期以降か

<テンパス(ワシントン)のシニア通貨トレーダー、ファン・ペレス氏>

間違いなく新たな悪い前兆のように見える。米連邦準備理事会(FRB)はさらなる再考が必要になるが、今四半期にはそれを示さないだろう。

市場は大きく変動しているが、参加者が全て戻ったわけではなく、状況は変わる可能性がある。きょうはとりわけ重く暗い1日だった。

●景気減速の深度を見極めへ

<プルデンシャル・フィナンシャル(ニュージャージー州)の首席市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏>

市場は総じて経済指標を材料視しており、アップルやその他の企業は基本的に、景気が減速しているとの見方を表明している。問題はどれだけ減速しているかで、市場はそれを見極める必要がある。市場が弱気過ぎて見誤っているのか、米連邦準備理事会(FRB)が過度にタカ派的なのか、どちらかだ。

(経済指標とアップルの売上高見通し下方修正)の全ては、中国や欧州だけでなく、世界経済が減速していることを示している。米国もその分類に加わろうとしている。

米2年債利回りは一連の経済指標やFRBの政策見通しとの相関性が最も強い。2年債利回りが上昇する局面は、経済状況が良好で、市場がFRBによる金利正常化への動きを吸収できるとのシグナルであるため、株式にとって前向きだ。

足元の2年債利回りは、これと異なる状況にあることを物語っている。ストラテジストや投資家の多くは(パウエルFRB議長が)明日何を言うか、2年債利回りが示す変化を認めるかどうかに注目するだろう。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below