April 10, 2019 / 4:48 AM / 12 days ago

焦点:新NAFTA協定の批准難航、選挙政治に翻弄される恐れ

[メキシコ市/オタワ 7日 ロイター] - 米国、カナダ、メキシコの3カ国が合意した新貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」は各国の批准手続きが難航し、年内の成立が困難になりつつある。米国は2020年に大統領選を控え、カナダも今年10月に総選挙が予定されており、協定は批准の大幅な遅れで選挙の争点に浮上し、政治に翻弄されることになりそうだ。

4月7日、米国、カナダ、メキシコの3カ国が合意した新貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」は各国の批准手続きが難航し、年内の成立が困難になりつつある。写真は3国の国旗。デトロイトで2018年8月撮影(2019年 ロイター/Rebecca Cook)

メキシコの元外務次官(北米担当)のアンドレス・ローゼンタール氏は「USMCAは窮地に陥っている」と述べた。協定は最終的に成立するとみているが、米国で民主党や労組が労働者保護の観点から合意内容に反対しているほか、関税を巡る対立もあり、数カ月以内の成立はないとの立場だ。

カナダ議会での批准もスケジュールが厳しい。6月の夏休み入りまで残された審議期間はわずか数週間で、改選後の議会が2020年までに批准を完了する可能性は低い。

米国では民主党が過半数を握る下院が協定を承認しないことに、トランプ大統領と共和党がいら立ちを強めており、トランプ氏は議会が承認を急がなければ、新協定の成立がないまま北米自由貿易協定(NAFTA)を破棄すると議会に揺さぶりをかけた。

3カ国の関税を巡る対立も新協定の批准に暗雲を投げかけている。

カナダとメキシコは米国に対して、昨年導入した鉄鋼などへの追加関税措置の適用除外を求めている。鉄鋼などへの追加関税はUSMCAの対象外だ。メキシコとカナダは問題が解決しないことにしびれを切らしつつあり、メキシコは追加関税が適用されれば報復として、4月末までに標的となる米国製品を新たに増やすと繰り返し警告している。

メキシコの経済次官は報復対象となる輸入米国品のリスト作りは最終段階にあると述べた。

一方のトランプ氏は4日、メキシコが違法薬物や不法移民の問題に対処しなければ、メキシコからの輸入自動車に関税を課すことも辞さない構えを示した。

カナダのフリーランド外相は先に、カナダ政府も米国に対する報復リストの作成を常に視野に入れていると述べた。具体的な内容には触れなかったが、メキシコとは選択肢について連携しているとした。

米民主党は、メキシコが労働者の権利について改善を図らなければUSMCAの批准を阻止すると警告し、この点はカナダ政府も同じ立場だ。

メキシコ政府は、労組の立場を強める法案を議会に提出済みで、4月中に可決される見通しだとしている。

トランプ氏はNAFTAのせいで企業がメキシコからの安価な労働力を雇用し、米国で数百万人が職を失っていると主張する。2020年には再選に向けた大統領選が控え、選挙戦では「米国第一」のスローガンを標榜するだろう。

トランプ氏は2016年の大統領選でNAFTA見直しを公約の1つに掲げ、民主党は今回こそ敗北すまいと全力を尽くす見込みだ。

メキシコの元外務次官のセルギオ・アルコセル氏は「大統領選が近づけば近づくほど、民主党がUSMCAを批准してトランプ氏に勝ちを認める状況が起きにくくなるだろう」と述べた。

(Dave Graham記者、David Ljunggren記者)

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