August 3, 2018 / 2:58 PM / 3 months ago

米7月雇用15.7万人増、ペース鈍化 労働力不足が影響との声も

[ワシントン 3日 ロイター] - 米労働省が3日発表した7月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比15万7000人増と、市場予想の19万人増を下回った。輸送や公益部門の雇用が減少した。

8月3日、7月の米雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比15万7000人増と、市場予想の19万人増を下回った。写真は昨年8月、マサチューセッツ州フォールリバーで行われたアマゾン流通センターの就職フェア(2018年 ロイター/Brian Snyder)

一方、失業率は低下し、労働市場の引き締まりを示唆した。製造業の雇用は7カ月ぶりの大幅な伸びとなるなど、底堅さも見受けられる。市場では、雇用の伸び鈍化は米中など世界的な貿易摩擦を巡る懸念を反映したものではないとの声も聞かれる。

S&Pグローバル・レーティングス(ニューヨーク)の主任米国エコノミスト、ベス・アン・ボビンゴ氏は「貿易紛争の継続は企業の投資や採用を阻害する恐れもあるが、今回の雇用統計では労働市場への悪影響は見られていない」と述べた。

5月と6月の就業者数は合わせて5万9000人分上方改定された。労働人口の伸びに対応するためには月に12万人増える必要があるとされている。

失業率は0.1%ポイント低下の3.9%となり、市場予想と一致した。失業率は5月に18年ぶりの低水準となる3.8%をつけた後、6月に4.0%へ上昇していた。労働参加率(生産年齢人口に占める働く意志を表明している人の割合)は62.9%と、前月から横ばい。現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は0.3%ポイント低下し7.5%と、2001年3月以来で最低を記録した。

こうした中、賃金は小幅な伸びにとどまった。1時間当たり賃金は平均で前月比0.3%(7セント)上昇。6月は0.1%上昇していた。前年同月比の伸びは2.7%と、前月と同じだった。

7月に雇用の伸びが鈍化した背景には労働力不足が影響している可能性もある。米国の求人件数は約660万件。2日に公表された7月の中小企業楽観度指数(NFIB)では、適切な人材を見つけられなかったと報告した回答が過去最高に上った。採用募集は建設業と製造業、卸売業に集中していた。熟練技術を必要としない職種でも人手が見つかりにくいとの報告があった。

米連邦準備理事会(FRB)が7月に公表した地区連銀景況報告では、高技術を必要とするエンジニアや建設・製造業の専門職、情報技術(IT)専門家、トラック運転手など幅広い職種で労働力が足りていないことが明らかになった。

コンファレンス・ボード(CB)の主任北米エコノミスト、ガド・レバノン氏は「労働市場では、ブルーカラー(現業系)職種の人材が大幅に不足する一方で、ホワイトカラー(事務系)職種の人材不足は小幅にとどまるなど、二極化の動きが見られる」と指摘した。

トランプ米政権は鉄鋼やアルミニウムに輸入関税をかけ、中国やカナダ、メキシコ、欧州連合(EU)など主要な貿易相手国は報復措置をとっている。また、340億ドル分の中国製品に25%の輸入関税をかし、中国は同様の対抗措置をとった。追って1日に米国は、2000億ドル相当の中国製品に対する輸入制限措置について、輸入関税を当初案の10%から25%へ引き上げることを提案した。中国商務省は3日、600億ドル相当の米製品に報復関税を課す方針を表明し、さらなる手段を講じる権利があると米国をけん制した。

エコノミストらは報復関税の応酬によってサプライチェーンに障害が生じ製造業が打撃を受け、米国の力強い経済成長の抑制要因になると警告している。貿易摩擦の高まりで金融市場はすでに乱高下しているが、貿易摩擦への懸念で企業の信頼感が低下し、企業が投資や雇用計画を見送る可能性もある。

SSエコノミクス(ロサンゼルス)の主任エコノミスト、スン・ワン・ソン氏は「金融市場は貿易摩擦の影響を受けている。中国などとの貿易紛争は投資や雇用、賃金の伸びを阻害する恐れがある」と話した。

一方、1兆5000億ドル規模の財政出動の影響で米経済はこうした逆境を乗り越えている。第2・四半期国内総生産(GDP)は年率で4.1%増と、前期から加速した。

FRBは1日、労働市場と経済双方について前向きな見方を示した上で、政策金利を据え置いた。声明で「労働市場は引き続き力を増し、経済活動は好調なペースで伸びている」とした。FRBは6月に今年2度目となる利上げを決めたが、就業者数の伸びが鈍化したことや、賃金の上昇ペースが安定的であることは景気過熱への懸念を抑える可能性があり、FRBは従来の計画通り金融政策を徐々に引き締めるとみられる。

FRBが物価の目安としている個人消費支出(PCE)のコア物価指数は6月に前年同月比で1.9%上昇した。3月にはFRBが目標とする2%を2011年12月以来初めて達した。

雇用統計の内訳は、製造業が3万7000人増。6月は3万3000人増だった。建設業は1万9000人増。6月は1万3000人増加していた。小売業は7100人増。6月の2万0200人減からプラスへ転じた。

教育・医療は2万2000人増と、17年10月以来の小幅な伸びにとどまった。6月は6万9000人増加していた。7月は教育サービスの雇用が1万0800人減少し、全体の抑制要因となった。

輸送業は1300人減。運輸・陸上輸送が1万4800人減少したことが全体を押し下げた。公益事業は3カ月連続で減少。金融・保険は9400人減だった。政府部門は1万3000人減少した。

*内容を追加して再送します。

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