September 18, 2019 / 7:51 AM / 3 months ago

コラム:米短期金融市場の動揺、速やかに収束するかが試金石

[ニューヨーク 17日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 市場機能の試金石は、市場が動揺するかどうかではなく、そこからどれだけ速く立ち直れるかだ。米連邦準備理事会(FRB)は17日、約530億ドルを市場に供給した。その原因となった事態は、銀行規制が厳格化し金融システムが比較的安定した局面下でさえ、予期せぬ出来事が起こり得ることを示した。こうした波乱は、大きな支障さえ引き起こさなければ目くじらをたてる必要がない。

9月17日、市場機能の試金石は、市場が動揺するかどうかではなく、そこからどれだけ速く立ち直れるかだ。ワシントンのFRB本部で2018年8月撮影(2019年 ロイター/Chris Wattie)

米短期金融市場では17日、銀行同士がリスクの低い証券を担保に資金を融通し合う翌日物レポ取引の金利が急騰。この金利は通常、FRBが誘導目標を2─2.25%に設定しているフェデラルファンド(FF)金利に極めて近い水準で推移するが、突如として誘導目標上限の4倍となる10%に上昇。つられてFF金利も誘導目標の上限に達した。手短に言えば、銀行は突然、資金不足に陥ったようだった。これを受け、FRBは約10年ぶりに売り戻し条件付き国債買入オペ(レポオペ)を実施した。

これは容疑者の多い探偵小説のような状況だったが、真犯人はいなかった。企業は納税に備えて預金を引き出しており、米財務省は資金を調達するため約540億ドルの証券を発行したばかりだ。これは、既に大量の米国債を保有している金融システムから流動性を吸収する格好になった。一方、銀行は連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が18日に発表されるのを控え、神経質になっている。銀行はまた、通商紛争や実際の戦争が起きる可能性、石油市場の混乱にも神経を尖らせている。

大手銀行は17日の短期金融市場の混乱を、厳格な規制によって市場が一段と脆弱になったとの主張を裏付ける口実に使うかもしれない。大手銀行は、バランスシートの規模に応じた資本の確保を義務付けるレバレッジレシオの規制を順守しなけばならない。だが同レシオの計算では、大量に抱える米国債がほぼ無リスク資産であることは考慮に入れてもらえない。この仕組みの1つの理論的な落とし穴は、市場の収縮が起きた際、保有する米国債がそれほど役に立たないことだ。

実際の教訓は、短期金融市場の混乱が迅速に収拾した点にある。FRBは17日、翌日も同じ手法で市場に資金を供給すると表明。セントルイス連邦準備銀行などが以前示唆したように、翌日物レポオペは定例手段となるかもしれない。確かに、こうした戦術は過去10年間は標準とはいえなかった。ただこれは、金融危機前の時代に回帰する動きの1つであり、市場もまんざらではないだろう。

●背景となるニュース

*FRBは17日、銀行同士が資金を融通し合う短期金融市場で翌日物レポ金利が急上昇したことに対処するため、翌日物売り戻し条件付き国債買入オペ(レポオペ)により約530億ドルを市場に供給した。

*FRBは最大750億ドルを市場にオファーしたが、最終的な資金需要はそれより低い水準にとどまった。FRBは18日にもレポオペにより最大750億ドルを供給すると発表した。

*リフィニティブのデータによると、翌日物レポ金利が10%に上昇した後、フェデラルファンド(FF)金利はFRBの誘導目標である2─2.25%の上限に達した。

*連邦公開市場委員会(FOMC)が17日に開始した。市場では政策金利を現行より25ベーシスポイント低い1.75─2%に引き下げると予想されている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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