March 2, 2018 / 6:22 AM / 4 months ago

アングル:銀行間取引金利が急拡大、米利上げペースに影響も

[1日 ロイター] - 米国の短期金融市場では3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が上昇し、翌日物インデックス・スワップ(OIS)とのスプレッドが足元で急激に広がっている。今の流れに歯止めが掛からなければ金融環境が引き締まり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化する可能性もある。

 3月1日、米国の短期金融市場では3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が上昇し、翌日物インデックス・スワップ(OIS)とのスプレッドが足元で急激に広がっている。写真は米連邦準備理事会(FRB)が入る本部。ワシントンで2016年10月撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

LIBOR─OISスプレッドはこの数週間で大幅に拡大し、40ベーシスポイント(bp)程度で推移している。通常は20bp以下だ。

過去にスプレッドがこれほど拡大したのは、マネー・マーケット・ファンド(MMF)改革で短期銀行債務の需要が劇的に落ち込んだ2016年や欧州がソブリン債務危機に見舞われた11年、世界金融危機の07─09年など数えるほどにすぎない。

市場関係者は今回のLIBOR上昇について、短期国債の発行急増や短期銀行債務の需要減退に伴う一時的な現象か、ニューノーマル(新常態)の反映のいずれなのかという課題に直面している。

ノムラ(ニューヨーク)の債券ストラテジーヘッドのジョージ・コンカルベス氏は「今の状態が持続するかどうかが鍵だ」とみる。「スプレッドが縮小しなければ銀行の投資判断に影響し始めるだろう。この状態が続けばFRBの利上げ回数が1回減るリスクもある」という。

市場参加者はFRBによる年内利上げ回数が従来予想の3回から4回に増える可能性に備えつつある。

FRBは銀行間のフェデラルファンド(FF)金利を調整して短期金融市場を操作している。しかしLIBORが上昇してもドル資金の調達コストが上がり、金融環境は引き締まる。LIBORを基準とした短期の資金調達に、最も依存しているのは外国銀行だ。

ドル建てLIBORは約150兆ドルに上るデリバティブ(金融派生商品)や6兆ドル以上のシンジケートローン、企業向け融資、商用不動産融資の基準金利となっている。

ただ市場には、LIBORの急上昇は今のところそれほど大きな懸念材料ではないとの見方もある。

ノーザン・トラスト・アセット・マネジメント(シカゴ)の短期債ディレクター、ピーター・イー氏は「ファンダメンタルズよりもテクニカル的な面が大きいと思う」と話し、LIBORには供給と需要の両面に働く大きな動きがいくつか起きているとした。

LIBORの水準自体も世界金融危機が最も深刻だった時期に比べて大幅に低い。当時はLIBOR─OISスプレッドは300bpを超えていた。

イー氏は、先の信用危機の水準に達して金融環境が全体的に引き締まらない限り、金融政策に大きな影響が及ぶことはないとの立場だ。

アナリストによると、米税制改革案が昨年12月に議会を通過し、企業が海外に保有しているキャッシュの本国送金に備えて短期債務への投資を減らしているため、短期債市場全体には今後も売り圧力が掛かりそうだという。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリストチームは最近のリポートで「金融市場は資金の大きな出し手を失いつつある」と分析。こうした動きをいくら重要視してもしすぎることはないとしている。

(Karen Brettell記者)

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