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コラム

コラム:米追加経済対策が成立目前、インフラ整備実現に道

[ワシントン 8日 ロイター BREAKINGVIEWS] - バイデン米大統領が打ち出した総額2兆ドル近い追加経済対策案を巡る議会の動きが、次に出てくると予想される大規模インフラ整備法案の格好の道標になろうとしている。議会上院で総額1兆9000億ドルの追加経済対策法案が成立したことで、道路や橋りょう、空港施設などの改善も実現するとの期待ができる。今回、かろうじて上院の多数派となっている与党・民主党はある制度を利用し、野党・共和党の同意を得る必要なしに法案通過を実現させたからだ。この制度はバイデン氏が音頭を取る、より規模が大きくなりそうな次の優先課題であるインフラ整備法案にも適用できる。企業は、この法案の一部財源を負担するよう求められることを覚悟しておく必要がある。

 3月8日、バイデン米大統領が打ち出した総額2兆ドル近い追加経済対策案を巡る議会の動きが、次に出てくると予想される大規模インフラ整備法案の格好の道標になろうとしている。ワシントンの米議会で撮影(2021年 ロイター/Erin Scott)

バイデン氏はまもなく、政権誕生以来で初の主要法案となる追加経済対策法案が成立する運びになろうとしている。上院で一部修正の上で可決された内容によると、失業保険給付金は夏の終わりまで毎週300ドル上乗せされ、年間所得7万5000ドル以下の国民には1人当たり1400ドルが支給される。下院は9日にもこの修正法案を審議する予定だ。

民主党が単独で法案を通す作戦は奏功した。共和党は昨年12月に9000億ドルの経済対策法案を承認した後、追加策については規模が大きすぎるとして支持を渋っていた。このため民主党のシューマー上院院内総務が持ち出したのが「財政調整措置」と呼ばれる、連邦政府の歳出や借り入れに影響を及ぼす事項の場合に適用できる制度だ。これを用いれば、通常の法案のような上院60人ではなく、単純過半数の賛成で可決が可能になる。

インフラ整備法案の場合も、いざとなれば財政調整措置が使える。先週、アメリカン・ソサエティ・オブ・シビル・エンジニアズは、米国のダム、高速道路、水道設備の修復に計6兆ドルを要するとの見積もりを発表。民主党穏健派重鎮のマンチン上院議員は7日、新興ニュースサイトのアクシオスに対して、法人税率を現在の21%から25%に引き上げることを含めた増税で賄うのであれば、4兆ドルのインフラ整備計画を検討できると発言した。

これは財政調整措置に関する幾つかのルールを満たす上でプラスになるだろう。ルールの1つは、10年を超える予算年度で財政赤字を拡大させる法案には適用されないという内容だからだ。トランプ前大統領が2017年に実施した減税策の一部だった富裕層向けの所得税率引き下げを撤回することも、赤字穴埋めの手段になり得る。

それでもマンチン氏は、インフラ整備法案の取りまとめには共和党も加わってほしいと述べた。しかし共和党から10人の賛成者を獲得し、同党による議事妨害の脅威をなくすのは簡単ではないだろう。特にこの法案にグリーンエネルギー推進条項が含まれる場合は困難が見込まれる。民主党指導部がマンチン氏の要望に対処する方法を見つけたとしても、共和党が今回と同じくなお反対するようなら、その場合は財政調整措置が現実的な選択肢になる。

経済対策法案と同様に、インフラ整備法案も有権者の受けは良い。ギャラップ社をはじめ複数の世論調査では、道路や橋りょうの修復に連邦予算を充てることに7割か、あるいはそれ以上の支持が集まっている。こうした世論も、財政調整措置を駆使しても法案を通過させるべき理由になる。

●背景となるニュース

*米上院は6日、一部修正した総額1兆9000億ドルの追加経済対策法案を可決した。年間所得7万5000ドル以下の国民全員に1人1400ドルを支給するほか、9月6日まで失業保険給付金に毎週300ドルを上乗せ、6歳未満の子どもがいる家庭の子ども1人当たりの税額控除を3600ドルとする。現在の税額控除は17歳未満の子ども1人当たり最大2000ドルだ。

*同法案は下院に改めて送付され、9日にも審議が行われる予定だ。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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