July 17, 2020 / 6:47 AM / 19 days ago

焦点:米の学校再開問題は経済も左右、生徒の9割通う公立がカギ

[ワシントン 14日 ロイター] - 米国では新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、どのようにしたら学校を秋に安全に再開できるかを巡り、激しい議論が戦わされている。重要な論点の1つは、公立校が米経済の大きなエンジンになっているという問題だ。

 7月14日、米国では新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、どのようにしたら学校を秋に安全に再開できるかを巡り、激しい議論が戦わされている。重要な論点の1つは、公立校が米経済の大きなエンジンになっているという問題だ。写真はニューヨーク市の公立学校。7月8日撮影(2020年 ロイター/Shannon Stapleton)

幼稚園から高校までの「K─12」教育を担う公立校は、全米に9万8000カ所ある。約5100万人の児童・生徒が公立の小・中・高等学校に通い、私立に通うのは約600万人だけだ。

公立校が提供する教育システムと、そこに通った労働者は、米国の経済成長の重要なけん引役だ。しかもこうした公立校は米国最大級の雇用セクターでもあり、雇用者数は他の建設、病院、金融・保険、運輸、倉庫といった業界を上回る。

米国勢調査局によると、2018会計年度はこうした学校の支出が総額7210億ドルに上った。これは同年の米国防総省の予算6710億ドルを超え、今年の同予算7050億ドルに比べても多い。

デボス教育長官を含むトランプ政権は秋に学校の対面授業を再開するよう要請し続けているが、感染への安全確保を含め具体的な計画は一切示していない。一方、全米で、児童の日帰りの預かり施設やサマースクールでの感染拡大が相次ぎ、保護者や教師、地元政府は懸念を募らせる。

カリフォルニア州では感染者が急増したため、ロサンゼルス市とサンディエゴ市は13日、8月からオンライン授業のみ再開すると発表した。

<裁量は各自治体に>

ホワイトハウスは公立校の再開についてほとんど実際の影響力を持たない。国勢調査局によると、K─12公立校の財源で連邦政府は約8%を占めるにとどまり、残りは州と地方政府が半々だからだ。ただ、州や地方政府は緊縮財政にあえいでいる。

経済政策研究所(ワシントン)のシニアエコノミスト、エリーゼ・グールド氏は、経済には乗数効果があるため、学校の雇用維持は地方経済にとってとりわけ重要だと指摘する。

18年度の7210億ドルという支出額は、国内総生産(GDP)に寄与する額に換算し直すと約1兆0800億ドル相当になるという。これには、より良い教育を受けた労働者が経済にもたらす恩恵は含まれていない。

米労働省の統計によると、地方政府の教育関連の就業者数は6月にやや回復したものの、3月に比べると66万7000人減ったままだ。減少幅は、08─09年の世界金融危機後の35万1000人に比べると、ほぼ倍に当たる。

また、再開されるのがオンライン授業だけだったり、休校が続いたりする場合、保護者が家で子供の面倒を見る必要が出る。このため、女性を中心に労働人口が減る可能性もある。

マッキンゼーの最近のリポートによると、米労働人口の約16%を占める約2680万人が、働くために児童預かりサービスに頼っている。

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