for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

中国の偵察気球、米本土上空を飛行 国防総省が追跡

[ワシントン 2日 ロイター] - 米国防総省は、米本土上空を飛行している中国のものとみられる偵察気球を追跡している。米当局者が2日に明らかにした。来週、ブリンケン米国務長官が中国を訪問する予定となっているが、今回の件がどのような影響を及ぼすかは現段階で不透明。

国防総省のライダー報道官は「米本土上空を現在飛行している高高度偵察気球を探知し、追跡している」と記者団に述べ、民間機の飛行高度よりもはるかに高い位置を飛行しており、軍事的な脅威や地上の人への危険はないとした。

米国防当局高官は記者団に「この気球の目的は明らかに監視だ」と指摘。数日前に気球が米国領空に入って以来、米軍有人機による監視も含め、気球を追跡してきたという。

オースティン国防長官は1日、フィリピンに向かう途中でこの事案について省高官の会議を開いた。

前出の国防当局高官によると、米軍上層部は1日にモンタナ州上空で気球の撃墜を検討したが、撃墜すれば破片が落下するなどして安全上のリスクがあるとして、最終的には見送るよう助言した。

バイデン氏が撃墜を命じた場合に備えて軍がF22戦闘機などを動員する中、同州ビリングスの空港は地上停止を命じた。ただ、当局者はこうした予防措置を講じてもリスクを十分に下げられないと判断したという。

気球の現在の飛行経路には警戒を要する場所が複数あると述べたが、詳細は明らかにしなかった。モンタナ州のマルムストローム空軍基地には150基の大陸間弾道ミサイルの格納庫がある。

米国は中国側にこの問題を提起し、「われわれが重大に受け止めていることを伝えた」という。

偵察気球が米国の上空を飛行したことは過去数年に数回あったが、今回は今までよりも長く滞留しているようだと指摘した。

「情報収集の観点で今回の気球で得られる付加価値は限られているとわれわれは分析しているが、外国の情報活動から機密情報を守るための措置を講じている」と語った。

中国外務省はロイターのコメント要請に返答してない。

議会上院情報特別委員会のマルコ・ルビオ副委員長(共和党)は、中国の諜報活動はこの5年でより活発になりレベルが上がってきていると指摘した。同委員会のメンバーのトム・コットン議員(共和党)はブリンケン氏の訪中中止を主張した。

マッカーシー下院議長は、「ギャング・オブ・エイト」と呼ばれる議会指導部および上下両院情報委員会幹部向けに安全保障関連の機密情報に関するブリーフィングを要請。米当局者によると、バイデン政権は2日以降に2回のブリーフィングを行ったという。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up