February 6, 2018 / 12:21 AM / 3 months ago

コラム:米株急落、投資家が現実に目覚める契機に

Tom Buerkle

 2月5日、トランプ米大統領は、自身の存在を株高とあまりにも強く結びつけたことを後悔しているかもしれない。5日の米主要株価指数は急落し、投資家の不安心理を示すボラティリティ・インデックス(VIX)は一時7年ぶりの高水準に達した。ニューヨーク証券取引所で撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領は、自身の存在を株高とあまりにも強く結びつけたことを後悔しているかもしれない。5日の米主要株価指数は急落し、投資家の不安心理を示すボラティリティ・インデックス(VIX)は一時7年ぶりの高水準に達した。

もっとも記録的な株価上昇を受け、少なくとも相場一服の場面はいつ到来しても不思議ではなかった。

1年3カ月前にトランプ氏が大統領選で予想外に勝利し、減税と規制緩和への期待が高まったことが、過去に例がないほど長期的に安定した株高局面をもたらした。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、今月2日までS&P総合500種は400営業日以上の期間、ずっとピークから5%下落する場面に遭遇してなかった。

5日の急落でそうした記録が止まり、S&P総合500種は1月26日の最高値から8%程度下げるとともに、年初来でもマイナス圏に沈んだ。直近ではS&P総合500種をアウトパフォームしてきたダウ工業株30種の下げ方は、もっと強烈だった。

トムソン・ロイターのリッパーのデータでは、1月31日までの週に米株式ミューチュアル・ファンドには162億ドルもの資金が流入しており、資金を振り向けた投資家はさぞショックを受けたことだろう。

米企業の業績がしっかりしているにもかかわらず、株価は急落した。これまでにS&P総合500種企業の半数強が第4・四半期決算を発表。トムソン・ロイター・エスティメーツの集計に基づくと、そのうち利益と売上高が予想を超えた割合は75%超と80%に上った。昨年12月に成立した税制改革法は、企業収益と恐らくは経済成長をさらに加速させるのは間違いない。

ただし、景気刺激効果が行き過ぎる危険もある。米国債利回りは昨年12月以降じりじりと上がり、企業の借り入れコストを押し上げているだけでなく、株式保有の魅力を相対的に低下させている。前週末発表された1月の平均時給が前年比で2.9%上がると、金利上昇に拍車がかかった。一部の市場参加者は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制のために利上げペースを速めるかもしれないと警戒している。

そうなると既に来年1兆ドル近くに膨らむ見通しの財政赤字の拡大圧力が一段と強まる。

世界経済の成長は勢いが増しており、米国以外のなお緩和的な主要中央銀行は徐々にFRBに追随して、金融政策正常化にかじを切りつつある。企業の収益力はまだ非常に高いとはいえ、米経済のファンダメンタルズは変化しつつあり、今後を展望している株式投資家にとって必ずしも良い方向に動いているわけではない。

投資家としては、警鐘を鳴らして現実に気づかせてくれた自分たちに感謝してもよいはずだ。

●背景となるニュース

・5日の米国株は急落し、S&P総合500種は4.1%下落の2649で引けた。ダウ工業株30種の下落率は4.6%、下げ幅は1100ドル余りで、午後には一時1600ドル近く下げた。

・シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX)は一時38.80と、2011年以来の水準まで跳ね上がった。終値も37.32と、2日の2倍以上だった。

・米10年債利回りは朝方に4年ぶり高水準の2.88%を付けた後、2.7%程度まで低下して2日終盤の2.84%を下回った。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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