October 30, 2018 / 7:27 AM / 20 days ago

焦点:米国株、成長株からバリュー株に主役交代か

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米国株の長きにわたる強気相場を最近の局面で支えてきたのは、成長株にはいくら資金をつぎ込もうとも非常に大きな見返りが得られるという否定しがたい事実だ。

 10月29日、米国株の長きにわたる強気相場を最近の局面で支えてきたのは、成長株にはいくら資金をつぎ込もうとも非常に大きな見返りが得られるという否定しがたい事実だ。NY証券取引所で24日撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL.O)やアマゾン・ドット・コム(AMZN.O)などの急成長銘柄に、適正とみられる価格にプレミアムを上乗せして支払うことは過去5年余り、成功のためのレシピだった。この間、成長株はバリュー株をリターンの面で2倍以上もアウトパフォームしてきた。

ただしそれも今までの話だ。値がさ株が名を連ねるラッセル1000グロース株指数.RLGは10月に入って10%余り下落し、金融危機以降で最大の下げとなった。半面、ラッセル1000バリュー株指数.RLVは7%の下げにとどまった。

こうした構図の変化は先週、アマゾンとアルファベットの売上高が市場予想を下回ったことが引き金となり両社株が急落した後、浮き彫りとなった。ハイテク銘柄を中心に成長株が並ぶナスダック総合指数は、本格的な調整局面に入った。

10月を迎える段階で、ラッセルのグロース株指数とバリュー株指数のパフォーマンスの乖離は少なくとも過去40年間で最大となっていた。過去の例をひもとけば、そうした動きはバリュー株の復活に結び付き、循環物色局面到来の観測を強めてきた。バリュー株の代表格としてはJPモルガン・チェース(JPM.N)、エクソンモービル(XOM.N)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ.N)などが挙げられる。

フェデレーテッド・インベスターズのチーフ株式市場ストラテジスト、フィル・オーランド氏は「新たな循環物色が始まった際には、バリュー株は数年にわたってグロース株をアウトパフォームした。それは長期にわたって平均に回帰する動きだ」と述べた。

S&P総合500種指数.SPXは9月20日につけた高値から約9%下落。セクター別では、情報技術株指数.SPLRCTや一般消費財指数.SPLRCDなど今年好調だった部門が全体を押し下げた。

両セクターの指数とも3週連続で下がり、アマゾンやアルファベットなどの成長株が含まれているため、市場参加者の間では、バリュー株への全面的な循環物色が進行しているとの見方が浮上した。

最近の株価下落を経ても、業績予想に基づく株価収益率(PER)に基づくと成長株は依然として割高だ。このため、株安を招いた投資家の不安も踏まえると、バリュー株へ投資する方が納得できるとの声も聞かれるようになった。

ジェフリーズの株式ストラテジスト、スティーブ・デサンティス氏は、現時点でバリュー株を保有すべき正当な理由があると主張。「利益は成長株よりもバリュー株の方が高く伸び始めており、GDP(国内総生産)が3%を超える成長率になるのであれば、業績を支える非常に良好な環境が整うはずだ」と述べた。

それでも、足元の動きが強気相場が終盤に入る中でバリュー株への全面的なシフトか、あるいは相場急落を受けた一時的な守りの姿勢かは分からない部分が残る。今年2月にS&P総合500種が調整局面とされる水準まで下がったときには、後者の現象が見られた。

BTIGのチーフ株式・デリバティブ担当ストラテジスト、ジュリアン・エマニュエル氏は、今年これまでの局面と現在の環境で違う点は、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを続ける決意を従来より強めていることにあると説明。その結果、米国債利回りは上昇した。

同氏は「投資家心理は長期金利が上昇するとの見方に変わってきている。それが起きた場合、成長株とほぼ同義傾向の値がさ株には潜在的なマイナス材料になる」と語った。

投資家の懸念材料にはFRBの利上げに加え、中国経済の減速やドル高も含まれる。ドル高は新興国に打撃となるほか、多国籍企業の収益を悪化させる要因となる。

FTSEラッセルのグローバル市場調査担当マネジングディレクター、アレック・ヤング氏は「FRBは着実に利上げを続けると明言している。それこそが、世界的な問題に直面する中で、人々をおびえさせ、バリュー株をアウトパフォームさせているのだ」と話した。

とはいえ投資家は、強気相場が終了する前に株価が再び持ち直した場合、バリュー株に全面的に乗り換えることで利益を逃してしまうかもしれない。

実際、全ての市場参加者が成長株の好調局面終了が近いと確信しているわけではない。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニアグローバル株式ストラテジスト、スコット・レン氏は「バリュー株がアウトパフォームすると思うのなら、サイクルの終了時点でその考えを強めるべきだ。バリュー株が一貫して明確なアウトパフォーマンスを続ける事態は、次の景気後退への道のりの半分に到達するまでは実現しないだろう」と述べた。

(Chuck Mikolajczak記者、Sinéad Carew記者)

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