October 11, 2018 / 9:07 PM / 8 days ago

米株が連日の大幅安、日本株はプラス転換:識者はこうみる

[12日 ロイター] - 米国株式市場は連日の大幅安。金利上昇を巡る懸念や企業決算への警戒感から、ダウ平均株価は500ドル以上値下がりしたほか、ハイテク株の多いナスダック総合指数も100ポイント近い下げとなった。

 10月11日、米国株式市場は連日の大幅安となり、ダウ平均株価は500ドル以上値下がりしたほか、ハイテク株の多いナスダック総合指数も100ポイント近い下げとなった。ニューヨーク証券取引所で撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

一方、日本株は後場に入りプラス圏に浮上、ドルは112円半ばで推移した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

<いちよしアセットマネジメント 上席執行役員 秋野充成氏>

金利の上昇に絡むポジション調整は終了に近づきつつあるが、日経平均は来週に二番底を付ける可能性もある。2月のVIXショック当時よりも下落幅の小さい調整で終了するとみている。半年に1回は起きる調整。過剰流動性相場の性(さが)なので仕方がない。

冷静な投資家は押し目買いを狙っている。きょうも買いを入れ、二番底で再び買いを入れるようなイメージだ。振れの大きい相場になりそうだが、きょうのところは2万2000円を割ることはなさそうだ。

こういう相場なので、欧州政治イベントやサウジアラビアの問題などの悪材料が強調され、株安を助長するような展開となるリスクはある。米長期金利の行方もまだ不透明。しばらくは米金利の落ち着きどころを探る形となる。緩やかな利上げの方向性は変わらないというFRB(米連邦準備理事会)の政策に市場が確信を持てば、再び米国株は戻っていくだろう。

米国政権が安全保障を経済よりも優先させる姿勢が、今後変わっていくかもポイントだ。もし米中首脳会談を行うのであれば、トランプ米大統領も強気一辺倒にはなりにくい。逆に言えばこの株安は、トランプ大統領の姿勢を変化させるための催促相場だとも言える。

<三菱UFJ信託銀行 資金為替部 為替市場課課長 池島俊太郎氏>

今回の米株安の要因は、金利と決算だと考えている。投資家は債券の保有比率が株式より高いことが多く、金利のボラティリティーが上昇すればリスク許容度が低下し、リスク資産を売却して現金化することが多いためだ。

企業決算の発表前に利益を確定させるための売りもあっただろう。投資家は見通しが不透明な状況下、先々を見極めたいと身を屈めている印象だ。

米株の大幅安にもかかわらず円高があまり進んでいないのは、参加者の持ち高事情がある。2月は世界株安で急速に円高が進行したが、その際は昨年来の低ボラ環境下で豪ドルやNZドルなどに買いが先行、それに対して円が幅広く売られていたため、買い戻す余力があった。

しかし今回は貿易戦争への懸念が高まる中、ドルを求める参加者が多かったため、対ドル以外の通貨に対して、円は大きく売られていない。つまり買い戻す余力に乏しいということだ。

ドル/円の分水嶺となり得るのは、9月18日安値の111.66円。トランプ米大統領が2000億ドル相当の中国製品に10%の関税を課すと発表し、材料出尽くし感などからドルが年初来高値となる114円半ばへ上昇する起点となった水準だ。

ここを割り込めば110円台が見えてくるし、止まるようなら111─113円付近のレンジ相場になるとみている。

<3エッジ・アセットマネジメントの首席投資ストラテジスト、フリッツ・フォルツ氏>

企業決算期を目前に控えていなければ、ここ2日のような動きにはなっていなかったかもしれない。投資家は決算期を控え、リスクを一部手仕舞っているのだろう。企業決算はしばらく好調続きで、持続しない可能性を示す兆しが表れつつあるという懸念が広がっているのだろう。

われわれは、完全には株式への投資を手仕舞っていない。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が幾分タカ派トーンを弱めた発言が必要と判断すれば、株価は急反発する可能性もある。

<ブライト・トレーディング(ラスベガス)のプロプライアタリー・トレーダー、デニス・ディック氏>

朝方の取引では市場に恐怖が見られていた。前日の急落を受け、今朝は反発するとの期待があったが、実際はそうならなかった。

苦境は脱したのだろうか。そうは考えられない。向こう数週間はボラティリティーが高い状態が続く。

ただ、米中協議が実施されれば支援材料となる。市場の起爆剤となるだろう。

<ジョーンズトレーディングの首席市場ストラテジスト、マイケル・オローク氏>

前日の売りを受けたオーバーナイトの(アジア)取引で、大きく売られた。堅調な地合いにならなかった。市場関係者は基本的に何をなすべきかが分からず、市場環境が実際に変わってもいない。朝方に上昇した一因は、トランプ米大統領が主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席する際、中国の習近平国家主席と会談する可能性があると伝わったことだ。ただ、トランプ氏は1週間前にそうした可能性を示唆していたようで、実際のところニュースではなく、リスク回避の動きが再び市場に広まった。

これから弱めの見通しを示す企業が多く出てくるだろう。これは問題だ。収益面で循環的な限界が見えてきたと懸念する向きもある。さらに、対中貿易戦争と金利上昇という2つの大きな逆風が吹く。循環的な収益圧迫要因のほか、吹き止む気配のないこれら2つの逆風を目の当たりにすれば、株価反転は難しくなると投資家は懸念する。今回の強気相場では、大半において金融政策が極めて緩和的で、貿易戦争もなかった。

<エバーコアISIの市場ストラテジスト、スタン・シップリー氏>

ファンダメンタルズは大きく変化していない。経済は堅調に推移しているように見え、インフレ動向も引き続き良好だ。3週間ほど前に幾分割高だった株価は現時点でかなり割安に見える。市場参加者はいずれ買いを再開するだろうが、それがいつになるかは分からない。実際、現在の下落局面に収束の兆候は見られない。底を打てば反発する公算が大きいが、そうなるには時間がかかるだろう。一夜にして、そうした状況に至ることはない。

*情報を更新しました。

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