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アングル:復調する米株、強気相場開始と決めつけられない事情

[11日 ロイター] - ここ数週間で米国株が反発基調となっていることを受け、アナリストや投資家は今年に入ってからの大幅安局面がついに幕切れを迎えたのではないかと考え始めている。ただ、弱気相場の終わり、ないし新たな強気相場の始まりを見分ける上で、ウォール街の誰もが同意する「公式」は存在しない。

 ここ数週間で米国株が反発基調となっていることを受け、アナリストや投資家は今年に入ってからの大幅安局面がついに幕切れを迎えたのではないかと考え始めている。ただ、弱気相場の終わり、ないし新たな強気相場の始まりを見分ける上で、ウォール街の誰もが同意する「公式」は存在しない。写真はニューヨーク証券取引所前で2021年1月撮影(2022年 ロイター/Mike Segar)

米国株が値を戻しているのは、予想を上回る企業業績や物価高騰がピークアウトした可能性があるとの見方が背景だ。

ナスダック総合は11日時点で、6月16日に付けた安値から20%上昇。S&P総合500種も6月の直近安値より15%高い水準にある。

ナスダック総合は昨年11月に記録した過去最高値から約21%下回っており、引き続き数兆ドルの時価総額が消失したままだ。それでもビスポーク・インベストメント・グループのアナリストチームは11日、ナスダック総合が最近の弱気相場を抜け出したと宣言した。

S&P総合500種とナスダック総合は、いずれも今年になって弱気相場に突入したとの見方が大勢だ。ところが、全てのアナリストが弱気相場や強気相場を同じ定義で規定しているわけではなく、投資家もこれらの言葉をかなり雑に使用している。

ビスポークは調査ノートに「われわれは強気相場と弱気相場の意味について語ろうと思えば何時間も語れる」と記した上で、新たな強気相場が6月16日に始まったことが確認されたと主張した。

「メリアム・ウェブスター」の辞書を開くと、強気相場の定義は単純で「証券や商品の価値が持続的に上昇している市場のこと」と説明されている。

一部の投資家がそれとみなす弱気相場はもっと具体的で、株価もしくは指数が前回のピークから少なくとも20%下落する展開を指す。このピークが弱気相場の起点となるが、それが分かるのは少なくとも20%値下がりした後になる。

同じように強気相場も前回の底値からの20%上昇と定義する向きがあり、ビスポークはこの基準に従ってナスダック総合が新たな強気相場に入ったと判断できるとしている。

米証券取引委員会(SEC)のウェブサイトには「一般的に、強気相場は市場全般を代表する指数が最低2カ月間で20%かそれ以上に上昇する場合に出現する」との記載が見られる。

S&P総合500種とダウ工業株30種平均を算出しているS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの強気相場に関する定義は、もう少し細かい。

同社のアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏は、高値から20%かそれ以上下がった後、そこから20%戻したとしても、依然として指数が前回のピークに届いていないとすれば「弱気相場の中の強気ラリー」に過ぎないと解説する。

また、アナリストからは、過去を振り返って分かる市場サイクルの定義付けに軸足を置き過ぎても、市場の今の地合いを把握したり、将来の方向性を占ったりする上で、ほとんど役に立たないと警告する声も聞かれる。

実際、投資家は指数が最高値を更新してからでないと、新たな強気相場の渦中にあるとは確実に認識できない。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによると、その段階でようやく直近安値が弱気相場の終わりと新たな強気相場の始まりだったと判断される。

例えば、2008年の金融危機に起因する弱気相場では、S&P総合500種は08年11月に付けた安値からいったん20%戻し、一部で弱気相場を抜け出したとの期待感が生じた。

だが、S&P総合500種はそこから再び28%下がり、09年3月に「二番底」を付けている。

投資家が、実は4年前に新たな強気相場が始まっていたとはっきり分かったのは、13年3月に過去最高値が更新された時点だった。

シルバーブラット氏は「われわれは過去にさかのぼって、株価がいつ底を打ったのかを探り、その時期が弱気相場の終わりと強気相場の始まりに当たる」と指摘した。

(Noel Randewich記者)

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