[19日 ロイター] - 米株式市場は主要株価3指数がそろって下落。個人データ流出問題を嫌気されたフェイスブック(FB.O)が急落し、S&P総合500種とナスダック総合は約5週間ぶりの大幅安となった。
市場関係者の見方は以下の通り。
<米投資助言会社インバーネス・カウンセルの最高投資責任者(CIO)、ティム・グリスキー氏>
まさにフェイスブックFB.Oの(データ流出問題の)ニュースに起因した下落だ。アップルAAPL.OのiPhone需要についてもやや懸念があるかもしれない。欧州連合(EU)が提案している大手IT(情報技術)企業の売上高への課税も無論、ハイテク部門に関する懸念を増幅させた。ハイテク圧迫要因が相次いだ日だった。
フェイスブックの問題は米大統領選やロシア介入疑惑が絡んでいるため注目度が高い。しばらく長引くかもしれない。ただ、インターネット規制にはつながらないと考える。執行が難しいからだ。
<スレートストーン・ウエルス(ニューヨーク)のチーフ投資ストラテジスト兼シニアポートフォリオマネジャーのロバート・パブリック氏>
今年に入ってからハイテク株はおおむね堅調に推移してきたが、きょうのフェイスブックの急落が、ハイテク主力4銘柄FANG(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、アルファベット)を中心とする他のハイテク関連株に波及した。ただフェイスブックのデータ流出問題に対する市場の反応は、最終的には一過性のものになるだろう。ホワイトハウスに関するあらゆる不透明感が市場を取り巻く中で、フェイスブックへの売りが出たに過ぎない。
投資家は市場全体にアンダーパフォームしないよう安全資産の一つとしてハイテク株に投資してきた。今回のフェイスブックのデータ流出問題で大きな痛手を被り、少なくともきょうのハイテク株はお手上げ状態だった。だが、運用においてハイテク株に頼ることができなければ、何を頼ればいいのか。もっとも今回の下げの大部分はアルゴリズムやHFT(超高速取引)などによるものとみている。
<TDアメリトレード(シカゴ)のシニアトレーディングスペシャリスト、ショーン・クルス氏>
フェイスブックがデータの不適切利用問題で注目され、「FAANG」銘柄の多くを圧迫した。というのも、これら企業の多くが大量のデータを集めてアルゴリズムを活用しているからだ。
どのようなデータを集め、どう利用しているか、さらに厳しい視線にさらされそうだ。今後の展開にはかなりの不透明感があると感じている。
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