May 29, 2018 / 11:36 PM / 5 months ago

イタリア政局混迷、日米株安・円高が進行:識者はこうみる

[ニューヨーク/東京 30日 ロイター] - イタリア政局混迷がユーロ圏の安定を脅かすとの懸念が強まるなかで、米国株が1日としては約1カ月ぶりの大幅な下落率を記録。市場が「リスクオフ」に傾くなかで円も押し上げられ、30日の東京市場では日経平均が一時2万2000円を割り込んだ。

市場関係者のコメントは以下の通り。

<ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏>

欧州の先行きは読みにくく、イタリアの欧州連合(EU)離脱という話になると相場がざわつきやすい。ただ、欧州の政治不安が高まれば、米連邦準備理事会(FRB)が利上げしにくくなる。利上げペースが鈍化すれば、このところ売られていたトルコなど新興国通貨の売りがいったん止まる。米国株にとっても、圧迫要因が緩和される。

当面は欧州政治不安と米利上げペース鈍化の思惑の綱引きになるだろう。日経平均はリスクオフの初期反応でいったん針が大きめに振れたが、揺り戻しもある。2万2000円台前半を軸に、落ち着きどころを探る流れではないか。リスクオフの際の円高は、ヘッジファンドの日本株売りに伴う買い戻しというポジション調整にすぎない面もある。今のところ、鍋の底が抜けたようにドル/円が下落することはなさそうだ。

<FXプライムbyGMO 常務取締役 上田眞理人氏>

イタリアの政局混迷はユーロ安と、リスク回避の広がりによる結果的な株安、円高を誘発したのみならず、予想外に大幅な米長期金利の低下をもたらした。

こうなると、6月の米利上げは間違いないとしても、その先の利上げペースが予想しづらくなってくる。また、株価がこれだけ崩れると、情勢的にも米国が利上げを推し進めることが困難となる可能性がある。

ドル/円については、108円を下回るとテクニカルに強いサポートが見当たらないが、あえて言えば、3月のドル安トレンドの出発点となった107.30円が次の下値めどとなりそうだ。

イタリアについては、再選挙の日程が決まるまで不安定な状況が続きそうだ。

<アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏>

短期的には、意表をつかれたファストマネー筋がポジションをスクエアに戻そうと急ぐ中、債券と株式ともにテクニカル面での悪影響が広がっている。

イタリアの政情がさらに悪化する場合、長期的にはドル高や欧州の成長鈍化という形で米国に影響が及ぶだろう。これは一部の多国籍企業の業績にとって逆風となる。とはいえ、米経済は十分に底堅く、成長路線から外れるのを回避できる。

<ロバート・W・ベアードのマネジングディレクター、マイケル・アントネリ氏>

イタリア債券市場は大荒れとなった。1%足らずだった2年債(利回り)が1日のうちに2.7%まで急上昇した。2011年の危機時を超える動きだ。

イタリアは国際銀行システムでかなりの部分を占める。今回のような大きな動きは、リスク資産パニックを起こす傾向があり、米国も例外でない。

週内に落ち着くだろう。仮にイタリアが本日、欧州連合(EU)離脱方針を表明すれば、確実に市場を動かすイベントとなる。だが、近いうちにこうした事態が起こる手掛かりは見出せない。市場は最悪のシナリオを織り込んだ後、1歩引き下がる傾向がある。

<パフォーマンス・トラスト・キャピタル・パートナーズのトレーディング責任者、ブライアン・バトル氏>

イタリアの政治的脅威が、どれだけリアルなものかを見極めようとしているというのがすべてだ。これはギリシャやクレタ島でなく、イタリアだ。だから問題となっている。ユーロ懐疑主義が現実化し、市場に不安をもたらし、ドルに資金が戻った。長期米国債(価格)は大きく上昇した。

*情報を更新しました。

 5月29日、米国株式市場は主要株価3指数が軒並み下落。ニューヨーク証券取引所で撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

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