August 21, 2018 / 6:00 AM / 3 months ago

焦点:米国株の記録的な強気相場、警戒信号点滅でも市場は楽観か

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米株式市場は現在の強気相場が間もなく9年半を迎えるだけに、いつ幕切れを迎えるかが論争の的になっている。

ただ「10年ないしそれ以上続ける力があるだけに、ここで終わっても満足できない」というのが多くの投資家の偽らざる心境だ。

今回の強気相場は世界金融危機後の灰の中で生まれ、米連邦準備理事会(FRB)による3兆5000億ドルの資産買い入れが進む中で続いてきた。

しかし上値を追い続けるには、一連の懸念要素をうまくこなしていかなければならない。つまり米国と貿易相手国との摩擦や、トルコリラ急落による新興国の混乱、中国経済の先行き不透明感、米中間選挙などだ。

米経済に目を向ければ、少なくとも来年は力強い成長が期待されるものの、企業債務の増加や住宅市場の不安定化など幾分心配な材料も出てきている。

ブルダーマン・ブラザーズの首席市場ストラテジスト、オリバー・パーシェ氏は「米経済は堅調だが、あちこちで警戒信号の点滅が増えているのが現実だ」と述べた。

それでも米経済が好調なこともあり、投資家の多くは相場がすぐに急落に見舞われそうにないと楽観している。グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツの最高投資責任者、ウォルター・トッド氏は「真の弱気相場は景気後退を伴う。いつ景気後退が起きるかと自問する必要はあるが、間近には見当たらない」と話した。

1999─2000年のインターネットバブル崩壊、07─09年の世界金融危機の記憶は消えておらず、投資家は強気相場が終わるタイミングやその後の相場下落の程度について警戒感を抱いているのは確かだ。

トランプ政権の法人税減税によって過去1年の株式投資のリターンが押し上げられた半面、それが最終的により波乱の大きい相場展開につながる恐れがあるとの声が聞かれる。

 8月20日、米株式市場は現在の強気相場が間もなく9年半を迎えるだけに、いつ幕切れを迎えるかが論争の的になっている。ニューヨークで18日撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

アリアンツ・グローバル・インベスターズの米投資ストラテジストのモナ・マハジャン氏は「強気相場の終盤に財政刺激策が実施されたことで、バブルの発生および崩壊シナリオの素地が出来た」と今後を危ぶむ。

調査会社CFRAの首席投資ストラテジスト、サム・ストバル氏は、大規模減税を導入済みの米政府は逆風時に打てる手が少なくなっていると不安を表明した。

世界金融危機後に資産買い入れや低金利政策で景気回復を支えてきたFRBが金融緩和策の巻き戻しを進めていることも、株式市場に不確実性をもたらしている。

CFRAによると、1946年以降の弱気相場12回の下落率の平均は32.7%。しかしこのうちネットバブル崩壊後と金融危機時の過去2回は下落率が49.1%、56.8%とより大きかった。

もっともビスポーク・インベストメント・グループの共同創業者ポール・ヒッキー氏は「直近2回の弱気相場は、今までで最も深刻だった。弱気相場が全てこれほど極端化することはあり得ない」と述べた。

強気相場の定義はさまざまだが、今回はS&P総合500種指数が676.53を付けた2009年3月9日に強気相場入りしたとの見方が一般的。以来4倍強も上がって17日終値で2850.13となった。

これまでには幾多の曲折も経験した。サントラスト・アドバイザリー・サービシズの首席市場ストラテジストのキース・ラーナー氏によると、今回の強気相場は少なくとも5%の下げに見舞われた局面が16回あり、下落率が少なくとも10%だったのは4回。今年2月にも1月の高値から10%下落したが、ラーナー氏は買われ過ぎの状態を解消する健全な調整だったとの見方を示した。

一般的には&P500種が20%下げると弱気相場入りと定義されており、こうした相場の急落は景気後退が付随するケースが圧倒的に多い。ゴールドマン・サックスの分析では、1976年以降に10%以上株価が下落した12回の局面でいずれも景気後退が起こらず、このうち下落率が20%を超えて弱気相場入りしたのは1987年の1回しかない。

景気後退入りの有無は、事後的にしか判断できないが、ロイター調査で示された米経済の成長率は今年が2.9%、来年が2.5%と予想されている。トムソン・ロイター・エスティメーツによると、S&P500種構成企業の増益率見通しは今年が23.3%、来年が10.1%。

 8月20日、米株式市場は現在の強気相場が間もなく9年半を迎えるだけに、いつ幕切れを迎えるかが論争の的になっている。ニューヨークで18日撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ社長は「株式市場は将来の景気を織り込もうとする。だから株式市場からは景気後退が迫ってはいないと読み取れる」と話す。

(Lewis Krauskopf記者)

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