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アングル:米株式市場、乏しい「トランプ氏逆転」予想の声

[ニューヨーク 11日 ロイター] - トランプ米大統領は根拠なしに選挙結果の不正を主張し、徹底的に争う姿勢を示している。ただ米株式市場では、これが短期的な混乱を生む可能性はあるものの、結果が覆るのではないかと心配する声は乏しい。

11月11日、トランプ米大統領は根拠なしに選挙結果の不正を主張し、徹底的に争う姿勢を示している。米ウオール街で10月撮影(2020年 ロイター/Mike Segar)

選挙前の段階では、トランプ氏が敗北を受け入れない事態が市場の安定を脅かす重大な要素とみなされていた。ところがそれが起きたにもかかわらず、S&P総合500種は投票日以降に約6%上昇。民主党候補のバイデン氏が当選すれば堅調に推移すると期待された医療用大麻やクリーンエネルギーといったセクターが、実際に値上がりしている。

バークレイズの株式デリバティブ責任者マニーシュ・デシュパンデ氏は「市場はバイデン氏の勝利がひっくり返りそうにないと信じている」と述べ、足元の値動きは、2000年の選挙のように結果が紛糾するよりも、勝者が明白になる方を市場は好感するという傾向に沿っていると付け加えた。

2000年には米最高裁がフロリダ州の票の再集計停止を命じ、共和党候補だったジョージ・W・ブッシュ氏の当選が決まるまで5週間も混乱が継続。CFRAリサーチのデータによると、当時投票日から年末までにS&P総合500種が7.8%下落した。

それでも一部の市場関係者は、トランプ氏や複数の共和党上院議員が、具体的な証拠を示さずにバイデン氏は法的に勝利していないと言い張っていることを懸念している。

RBCキャピタル・マーケッツの株式デリバティブ・ストラテジスト、エイミー・ウー・シルバーマン氏は、どのように政権移行が進むのか、またトランプ氏や共和党がいつ敗北宣言するか、あるいは本当にするつもりかと気をもむ。「市場が熱気に包まれている中で、この先が不安になる」という。

リフィニティブのデータからは、オプション市場がボラティリティーの高騰を見込んでいるのは政権移行時期に当たる来年1月で、選挙絡みの訴訟が今後数週間にわたって波乱を起こすとは想定していないことが分かる。

さらにジョージア州の上院2議席を巡る決算投票が行われる来年1月5日前後のボラティリティーも跳ね上がると予想されている。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは10日、バイデン氏勝利に異を唱えるトランプ陣営の法廷闘争が市場を動揺させ、社会的緊張を生み出して米景気回復に重大な悪影響を及ぼしかねないと警告した。しかし最終的には「米国の諸機関」が同国の信用力に持続的かつ深刻な打撃を与えることなく問題を解決するだろうとの見方を示した。

ビレールのポートフォリオマネジャー、ラマー・ビレール氏は、トランプ氏がさまざまな画策をしても、「バイデン大統領」を織り込んだ市場を動かす公算は小さいと断言。バイデン氏が1月に次期大統領に就任するのを阻む要素はどこにもないと強調した。

コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのブラッド・マクミラン最高投資責任者は、投資家にとって、トランプ氏が選挙結果を無効にしまうことよりも、ジョージア州の決選投票で民主党が上院多数派になる展開の方がよほど不安だと話す。

「世界は終わらなかったと誰もが安心したのが11月序盤の状況だとすれば、月末までは投資家がどのような形で再び心配し始めるかという話になる」という。

(David Randall記者)

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