October 30, 2018 / 12:56 AM / 19 days ago

アングル:物価上昇で利益率侵食か、米株市場に忍び寄る懸念

[26日 ロイター] - 米企業の第3・四半期決算発表に伴う財や労働力のコスト上昇に関するメッセージは、株価動向を占う明確な手掛かりになると期待されたほどの一貫性が見られず、投資家は消化不良に陥っている。

 10月26日、米企業の第3・四半期決算発表に伴う財や労働力のコスト上昇に関するメッセージは、株価動向を占う明確な手掛かりになると期待されたほどの一貫性が見られず、投資家は消化不良に陥っている。写真は29日、ニューヨーク証券取引所(2018年 ロイター/Brendan Mcdermid)

米国は過去10年間、理由は不明ながらインフレが起こらず、株価が上昇してきた。しかし足元ではついにコストが上昇し始めて企業の利益率を侵食しつつあるとの懸念が強まっており、今月に入ってからの米株売りもこうした不安が一因かもしれない。

9月の米消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率は2.3%、食品とエネルギーを除くコア指数が2.2%で、米連邦準備理事会(FRB)の目標を上回った。一方、失業率は3.7%と約40年ぶりの低水準で、9月の賃金は前年比2.9%増と9年ぶりの伸びを記録した。

問題はコスト上昇が加速するか否かだが、企業利益の伸びが続いて高いバリュエーションが正当化されるという株高の前提は、ともかくも先行きが怪しくなっている。

リフィニティブのデータによると、これまでに第3・四半期決算を発表したS&P総合500種構成企業は増益率が22%と高い伸びを保っているとはいえ、利益が予想を上回った銘柄は第1・四半期から半分近くに減った。

企業がコスト上昇に見合う値上げに踏み切ることができなければ、株価が現在のバリュエーションを維持するのは困難だろう。

FRBはインフレを抑えるため、来年に向けて利上げを続ける見通しで、借り入れコストも上昇。一方で米企業からは、トランプ政権が導入した輸入関税の影響で投入コストの上昇を警戒する声が出ている。

3EDGE・アセット・マネジメントの首席投資ストラテジスト、フリッツ・フォルツ氏は「市場関係者は、企業利益がついに天井を打ったのではないかと真剣に心配しており、コスト上昇を口にする機会が増えている。先を見通しても、企業の利益率が下押し圧力を受けるのは間違いないだろう」と述べた。

もっとも企業が示す業績見通しの内容は決して弱気一色ではない。

例えば塗料製造のPPGインダストリーズ(PPG.N)は8日、原材料の値上がりを理由に減益予想を発表し、株価が大幅に下落。ところがその後同業のアクゾ・ノーベル(AKZO.AS)は原材料価格の上昇はピークを付けたとの見方を示し、株価が上昇している。

デル・タコ(TACO.O)の経営幹部は、今月初めの決算発表でカリフォルニア州の最低賃金引き上げの影響で来年は食品価格や労働コストが上昇すると警告した。

しかしネスレ(NESN.S)やユニリーバ(ULVR.L)(UNc.AS)はインフレで値上げが可能になり、売上高が増加したと発表し、むしろ物価上昇が追い風になった企業も存在する。

市場全般の見方では、物価はなお落ち着いている。債券市場が見込む5年後から5年間の物価上昇率は2.2%と現状とそう変わらない。

それでも株式市場にはもっとはっきりしたシグナルが出るのを待てない投資家もいる。その1人であるリチャード・バーンスタイン・アドバイザーズのリチャード・バーンスタイン最高経営責任者(CEO)は、コストを顧客に転嫁することが可能な主に消費財などのセクターに重点的に投資しており、「価格決定力を持つ企業が(ポートフォリオに)必要だ」と話した。

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