March 8, 2018 / 5:14 AM / 3 months ago

米鉄鋼輸入制限は雇用増とレイオフで功罪両面 鉄鋼各社が見解

[デトロイト 7日 ロイター] - 米国の鉄鋼各社幹部は7日、トランプ大統領による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限は、雇用増加とレイオフ(一時帰休)の功罪両面につながる可能性がある、との見解を明らかにした。

トランプ大統領は輸入を抑えるため、鉄鋼に25%の関税を課すと表明。生産能力の余剰を抱える米製鉄所にとっては、納期が大幅に遅れたとしても需要増加に対応する好機だ。一方で、米国では生産されておらず輸入に頼らざるを得ない特殊鋼を扱う鉄鋼メーカーは窮地に追い込まれる。

鉄鋼メーカー、ノボリピテスク・スティール・PAO(NLMK.MM)のボブ・ミラー米国部門最高経営責任者(CEO)は、自社の事業や従業員が打撃を受けると予想。米国の鉄鋼メーカーは自動車メーカーといった顧客向けの薄板用スラブは生産しておらず、「輸入制限は明らかにレイオフにつながる」と強調した。

もし国別の除外なく制限が実施されれば、ノボリピテスクはペンシルバニア州とインディアナ州の工場増強で予定していた6億ドルの投資を縮小し、さらに数百人の米国鉄鋼労働者をレイオフするという。3-4カ月以内に約1200人の従業員を半数に減らすことになる上、顧客が値上げを受け入れなければ、同社の米国事業は「消滅する可能性もある」と警告した。

一方で、USスチール(X.N)は、高関税は需要増につながるとの期待から、事業増強に向けた態勢を整えている。7日には、操業を中止していたイリノイ州の製鉄所で高炉の稼動を再開すると表明した。再開には4カ月かかるが、500人の雇用増加につながるという。

鉄鋼業界によると、米国内にある遊休設備の生産能力は年間約3000万トンに上り、需要増にも対応可能だ。2017年の需要は計約1億0700万トンで、うち3600万トンが輸入鋼材だった。

3月7日、米国の鉄鋼各社幹部は、トランプ大統領による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限は、雇用増加とレイオフ(一時帰休)の功罪両面につながる可能性がある、との見解を明らかにした。写真はカナダのオンタリオ州の鉄鋼工場で撮影(2018年 ロイター/Peter Power)

業界アナリストによると、すぐに操業再開できる製鉄所はUSスチールのイリノイ州の製鉄所と、AKスチール・ホールディング・コーポレーションのケンタッキー州の製鉄所の2カ所のみで、生産能力は合わせて530万トンに上る。他の製鉄所は早期には稼動できない状態だ。

アナリストのマイケル・アップルバウム氏は、米国の鉄鋼メーカー各社は需要増に対応できる見込みだが、メンテナンスされているイリノイ州やケンタッキー州の製鉄所でも再稼動には4-6カ月必要だ、と指摘する。

運輸やエネルギー関連企業など、鉄鋼を消費する側が懸念するのはこの点だ。プレインズ・オール・アメリカン・パイプライン(PAA.N)のグレッグ・アームストロング最高経営責任者(CEO)は、鉄鋼不足は同社のパイプライン敷設計画に影響する、とみる。

アームストロングCEOは「当社はパイプだけでなくバルブなど米国では作られていない製品も輸入している。米国では買えない製品に関税をかけるなんて適切ではない」と強調した。

鉄鋼メーカーのカリフォルニア・スチール・インダストリーズCAST.ULは年間150万トンのスラブを輸入しているが、米国の鉄鋼業界を支えたいというトランプ大統領の政策は裏目に出るだろう、と主張した。

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