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米上院の税制改革法案、法人減税を1年先送り 下院案と相違
2017年11月10日 / 01:48 / 15日前

米上院の税制改革法案、法人減税を1年先送り 下院案と相違

[ワシントン 9日 ロイター] - 米議会上院の共和党は9日、下院に続いて税制改革法案を発表した。ただ、法人税の引き下げ時期や州・地方税控除の扱いなどで上下両院案に相違があり、今後調整が難航する可能性がある。

 11月9日、米議会上院の共和党は9日、下院に続いて税制改革法案を発表した。ただ、法人税の引き下げ時期や州・地方税控除の扱いなどで上下両院案に相違があり、今後調整が難航する可能性がある。2016年12月撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

焦点となる法人税は、下院案では現行の35%から20%に即時引き下げるとしているが、上院案は実施時期を2019年に先送りする。

共和党は年内に法案を成立させたい考えで、実現すればトランプ大統領にとって大きな成果となる。

下院では同日、歳入委員会で税制改革法案が承認された。本会議では来週、採決が行われる見通し。一方、上院財政委員会が公表した案はまだ正式な法案の形になっておらず、今後の日程は明らかではない。共和党は両院で過半数を握るが、上院での野党との議席数の差は小さく、通過へのハードルが高い。

所得税については、上院案は最高税率を現行の39.6%から38.5%に引き下げ、税率区分は現状の7段階を維持する。一方、下院案は、最高税率を現行水準で維持し、税率区分は4段階に簡素化する。

州・地方税(SALT)控除は、上院案では全面的に廃止する。下院案では、州・地方所得税と消費税については廃止、最大1万ドルの不動産税については現行通りとする。

米国企業が海外に留保する利益を米国に戻す際の税率の引き下げについては、現金・流動資産では上院案が12%、下院案が14%に引き下げるとしている。固定資産については上院案が5%、下院案が7%としている。

このほか、遺産税の扱いでも両院案に相違がみられた。上院案は遺産税を維持する一方で非課税枠を拡大するが、下院案は非課税枠を拡大し、6年後に撤廃するとしている。

プライベート・エクイティ(PE)のファンドマネジャーなど富裕層の投資家は、成功報酬(キャリードインタレスト)に関し、所得税より税率が低いキャピタルゲイン税の適用が認められているが、上院案はこの抜け穴を塞ぎ税優遇をなくすとしている。一方、下院案は税優遇を維持するが、対象者をさらに制限するとした。

また、最新の下院修正案では、在庫の利子控除に対する新たな制限について、自動車ディーラーには適用しないとした。自動車ディーラーは草案に懸念を示していた。

税法案に関するロビー活動が活発化する中、今後も両院の法案に修正が加わるとみられる。

下院民主党トップのナンシー・ペロシ院内総務は声明で、「共和党の偽の税制改革は、段階が進むにつれて多国籍企業により寛容になり、米国の労働者や中間層世帯にはより破滅的になっている」と批判。

上院民主党のチャック・シューマー院内総務は、SALT控除の廃止も含めて共和党の提案は米国の中間層や上位中間層にとり打撃になると批判した。

両院の共和党案はともに、減税に伴い10年間で財政赤字が1兆5000億ドル拡大する見込み。

両院の合同租税委員会が9日に公表した試算でも、上院の税制改革法案により10年間で財政赤字は1兆5000億ドル拡大する見通し。

*内容を追加しました。

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