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アングル:米国債利回り今度こそ上昇持続か、さらなる増発観測

[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米国債市場では、11月3日の大統領選で誰が勝っても財政支出を伴う追加的な経済対策が成立するという見通しの織り込みが進んでおり、投資家は数カ月ぶり高水準にある米国債利回りがさらに上昇するかどうか推し量ろうとしている。

10月23日、米国債市場では、11月3日の大統領選で誰が勝っても財政支出を伴う追加的な経済対策が成立するという見通しの織り込みが進んでおり、投資家は数カ月ぶり高水準にある米国債利回りがさらに上昇するかどうか推し量ろうとしている。写真は米ドル紙幣。5月撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

指標となる米10年物国債の利回りUS10YT=RRは23日午前に一時0.8682%まで上昇(価格は下落)し、米経済が広範なロックダウンから再開し始めた6月初旬以来の高水準を付けた。

米国債利回りはこの何年も、上昇のたびに息切れするパターンを繰り返してきた。連邦準備理事会(FRB)が成長てこ入れのため金利を低く抑えているからだ。

しかし一部の投資家は、今回は利回り上昇が続く条件がそろっているのではないかと考えている。議会は数カ月以内に追加経済対策を承認する用意があるように見受けられ、新型コロナウイルスワクチンが来年には出回る可能性があるほか、米国債は発行増で価格が圧迫される見通しだ。

シティグループのアナリストチームは23日に米国債について、「機械的な押し目買いを見直す潮時かもしれない。相場上場時には売るべきだ」と提言した。

今月前半に投機筋の30年物米国債先物US30YT=RRの売り越しが過去最大を記録。景気回復や物価上昇予想を背景に利回り上昇が続くと見込む投資が広がっていることが浮き彫りになった。

追加経済対策に伴う増発の可能性も、相場にとって重しになりかねない。

米財務省が今年1-9月に発行した国債は約15兆5000億ドルと過去最大規模。起債は政府の歳出を賄うためで、先に議会を通過した景気対策に関連する支出が目立つ。

米国債はこれまでのところ大量供給による価格への影響は小さい。FRBが政策金利をゼロ近辺に誘導し、大量の国債を購入しているためだ。しかし追加経済対策が議会で可決されれば、数カ月以内に国債の発行はさらに増えるだろう。

ペロシ下院議長は23日、大統領選までに新型コロナ追加対策を成立させることは可能だが、成立に消極的な上院の共和党議員を翻意させられるかどうかなどトランプ大統領の行動次第だと述べた。

一方、トランプ氏とムニューシン財務長官は、追加経済対策の成立にはペロシ議長の譲歩が不可欠だと反論した。

投資家の間には、大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領が勝利し、議会選でも民主党が勝てば、追加経済対策の規模が膨らんで財政支出が増えるとの見方もある。

ナットウェスト・マーケッツの米州戦略責任者ジョン・ブリッグス氏は「バイデン氏が大統領選で勝ち、民主党が上院で過半数の議席を取れば、米国債の利回り曲線は傾きがもっと大きくなるというのが私の見立てだ」と話した。

22日に行われたトランプ氏とバイデン氏による最後のテレビ討論会は目立った動きがなく、バイデン氏勝利の見通しが一段と高まったかもしれない。トランプ氏は支持率でバイデン氏に10ポイント下回る状態で討論会に臨んだが、選挙の結果を左右しそうな接戦州の一部では両者の争いはもっと伯仲している。

利回りの上昇は企業や個人の借り入れコストを押し上げ、経済成長を脅かすため、FRBにとって問題かもしれない。

ただ、ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・レバス氏は「FRBは長期金利の低位抑制だけに関心があるわけではない。景気や物価の予想が上向いて長期金利が上昇するなら実際には良いことで、FRBがその場合に利回り上昇抑制を目指すとは思わない」と指摘した。

(David Randall記者 Kate Duguid記者)

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