Reuters logo
コラム:米当局、苦しむ外銀に持株会社規制で追い打ち
2016年2月23日 / 03:54 / 2年後

コラム:米当局、苦しむ外銀に持株会社規制で追い打ち

[ワシントン/ニューヨーク 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国の金融規制当局は、苦しんでいる外国銀行に追い打ちをかけようとしている。欧州の銀行は既に金融危機後の環境激変にさらされ、最近では株主からもたたかれている状況。さらに今度は、米国の事業規模が大きい場合、7月までに新たに中間持株会社を設置することなどを定めた規制に対応しなければならないのだ。

 2月22日、米国の金融規制当局は、苦しんでいる外国銀行に追い打ちをかけようとしている。写真はバークレイズのロゴ。ロンドンで2013年7月撮影(2016年 ロイター/Toby Melville)

これが利益を一段と圧迫する可能性は大きい。もっとも具体的にどの程度打撃を受けるかは、まだはっきりしていない規制の内容に左右される。

外銀に対する中間持株会社設置要求は、2010年に成立した金融規制改革法(ドッド=フランク法)に基づくもので、欧州やカナダ、アジアを本拠にして米国内に500億ドル以上の資産を有する最大24行が対象になる。これらの外銀の米国事業が、親会社や米国の納税者の助けを借りないでも危機を乗り切れる態勢を確立するのが狙いだ。

バークレイズ(BARC.L)やドイツ銀行(DBKGn.DE)などのこれら大手外銀が設置を義務付けられる中間持株会社は、取締役の定数を充足させ、米国の銀行持株会社と同等の資本基準やレバレッジ比率、リスク管理要件を達成しなければならない。例えば普通株等Tier1比率は最低でも6%にする必要がある。

米連邦準備理事会(FRB)は2年前にこれに関する最終規則を公表しており、対象となる外銀には準備期間が与えられていた。この間、ドイツ銀は1000億ドルの米国資産を他の地域に移管することを決定している。とはいえなお疑問点は残る。一例として、世界的に管理されていて、必ずしも米国の規則に従う道理はないかもしれないトレーディング勘定を米当局がどう扱うかは固まっていない。

FRBは、危機時に資本に転換される債務である「ベイルイン・キャピタル」を外銀がどの程度保有すべきかの結論も下していない。以前の見積もりでは外銀全体で1000億ドルとされたが、現状で考えるとこれは過大に見える。ベイルイン・キャピタルの適格要件を満たす証券の種類の具体化も今後の宿題として残るだろう。

このように多くの要素がなお不確定である以上、FRBは結局、大手銀行向けの年次ストレステスト(健全性審査)を使って各種要件の不備を是正しようとする可能性がある。いくつかの外銀はもうそのプロセスに参加しており、すべての外銀は2018年までに対応しなければならない。FRBは今後、資本増強や流動性拡充あるいはその両方、またはリスク管理の厳格化を迫る可能性がある。外銀がこうした要求に応じるために資産を売却すれば、既に精彩を欠いてしまっている利益が一段と打撃を受けるだろう。

米当局による一連の規制は少なくとも外銀の「底力」を高めるはずだ。だが、外銀にとって株主に相応のリターンを提供するまでの長い道のりにまた1つハードルが立ちふさがることになる。

●背景となるニュース

*米国で活動する大手外銀は、ドッド=フランク法に基づいて7月1日までに中間持株会社の設置が必要になり、独自に資本基盤を整えてストレスがかかった環境でも親会社からの支援なしで生き残れるよう求められている。

*この規制は、米国内に資産500億ドル以上を保有するすべての外銀が対象。バークレイズやBNPパリバ(BNPP.PA)、ドイツ銀行、クレディ・スイスCSGN.VX、UBSUBSG.VX、ラボバンク[RABO.UL]、トロント・ドミニオン(TD.TO)、三菱東京UFJ(8306.T)、バンク・オブ・モントリオール(BMO.TO)、バンコ・サンタンデール(SAN.MC)、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RY.TO)、ソシエテ・ジェネラル(SOGN.PA)、みずほ(8411.T)などが含まれる。

*欧州の銀行株は今年になってから20%強も下落している。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below