[28日 ロイター] - 米銀大手のモルガン・スタンレー、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、ゴールドマン・サックスは28日、配当金を引き上げると発表した。米連邦準備理事会(FRB)が先週公表した大手金融機関のストレステスト(健全性審査)の結果で、十分な資本を保有していると判断されたことが背景。
モルガン・スタンレーは第3・四半期に配当金を現行の1株当たり0.35ドルから0.70ドルに倍増すると発表。一部のアナリストの予想(約0.50ドル)を上回った。
同行はまた、自社株買いに向けた支出を拡大する方針も表明。株価は引け後の時間外取引で最大3.7%上昇した。
同行のジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は、これほど多くの資本を還元できるのは数年にわたって蓄積した余剰資金があるからだと説明。今回の措置は「変革された当行のビジネスモデルに必要な資本基盤を再構築するという決定を反映している」と述べた。
BofAは第3・四半期から配当金を17%引き上げ、1株当たり0.21ドルとする。JPモルガンは第3・四半期の配当金を現行の0.90ドルから1ドルに引き上げる。
ゴールドマンは1.25ドルから2ドルへの増配を計画している。
BofAの株価は時間外取引で横ばい。ゴールドマンは0.6%高、JPモルガンは0.3%安。
FRBは24日、ストレステストの結果を受け、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に伴い導入した自社株買いと配当金支払いの制限を30日付で解除すると発表した。
ストレステストでは、最も厳しいシナリオの下、大手金融機関23社が被る損失は合計4740億ドルになると試算されたが、こうした厳しい状況下でも、大手金融機関はFRBが要請する水準の倍以上の資本金を維持できることが分かった。
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