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アングル:バイデン氏再選へ民主「挙党態勢」、支持率低迷など課題も

[フィラデルフィア/ワシントン 3日 ロイター] - 4日まで米ペンシルベニア州フィラデルフィアで開催されていた民主党全国委員会(DNC)の会合では、集まった党幹部らから2024年の次期大統領選で再選を目指すジョー・バイデン氏の背中を押すメッセージが発信された。「ジョーよ、脇目も振らず突き進め」と――。

 2月4日まで米ペンシルベニア州フィラデルフィアで開催されていた民主党全国委員会(DNC)の会合では、集まった党幹部らから2024年の次期大統領選で再選を目指すジョー・バイデン氏(写真)の背中を押すメッセージが発信された。ホワイトハウスで1月撮影(2023年 ロイター/Jonathan Ernst)

民主党ペンシルベニア支部責任者のシャリフ・ストリート氏は「大統領を(選挙で)応援するのを楽しみにしている。彼は素晴らしい仕事をし、人々は興奮している」と語った。ペンシルベニアは20年の大統領選でバイデン氏のトランプ前大統領に対する勝利を確定させる役割を果たした州の1つだ。

このようにバイデン氏は党幹部の間では人気が高い。ただ一般の世論調査で続く支持率低迷や、80歳になった同氏に対してそろそろ政界を退いて若い世代に道を譲れという意見など厳しい現実にも直面している。

それでも今のところ、民主党内の大統領候補者指名争いでバイデン氏に挑戦しようと名乗りを上げた政治家は見当たらない。

さらに昨年の議会中間選挙で民主党が善戦したことで、バイデン氏を担いで24年の大統領選を戦う気運が党内で盛り上がってきたとも言える。ニューヨークからやってきた全国委員会メンバーで労組指導者のスチュアート・アップルバウム氏は「バイデン氏の実績は期待を上回った」と称賛する。

ロイターが話を聞いたDNCの会合出席者20人余りの間でも、バイデン氏が2期目を目指すことへの賛成意見が圧倒的だった。

一方で19日公表のロイター/イプソス調査によると、バイデン氏の支持率は40%と就任以来の最低圏にとどまっている。私邸で機密文書が発見された問題を巡り、野党共和党から批判を浴びていることが影響したとみられる。

DNCは今回会合で、24年大統領選の党候補者選びに関してバイデン氏が提案した新たな日程も承認した。伝統的に指名争いの皮切りになってきたアイオワ州党員集会に代えて、黒人有権者の割合が比較的高く20年の選挙でバイデン氏に大きな支持が集まったサウスカロライナ州予備選を初戦に設定した点などが特徴だ。

左派系の一部議員や政治団体などからは、党候補者選びが始まる前にバイデン氏の「お手盛り」で日程が決まることに反発する声は聞かれたが、DNCの日程承認によってバイデン氏の党掌握力の強さが改めて証明された。今後党内でライバルたちがバイデン氏を負かすのも、より難しくなるだろう。

バイデン氏の側近らは、数週間以内に同氏の再選に向けた正式な選挙運動を開始する準備を着々と進めているところだ。

彼らは党の世代交代論や、世論調査での低い支持率をさほど意に介していない。40%という支持率は、トランプ前大統領の任期におけるちょうど同じ時期の水準に相当する。

そのトランプ氏は既に24年の出馬を表明しているが、共和党の大統領候補者指名争いでは、ニッキー・ヘイリー元国連大使ら多くの対抗馬が待ち受ける見通しだ。

(Jarrett Renshaw記者、Trevor Hunnicutt記者)

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