[ワシントン 21日 ロイター] - バイデン米大統領は21日、新型コロナウイルス封じ込めに向けた新たな戦略を打ち出し、検査の拡大やワクチン供給不足への対処、マスク着用義務、米国への渡航者に対する手続きなどに関する大統領令に署名した。
バイデン氏は、前政権によるワクチン展開が「これまでのところ惨敗」と批判。米国の新型コロナ感染症による死者は来月に50万人を突破する恐れがあるとし、「状況は好転する前に悪化する」と慎重な見方を示した。
新たな戦略の下、空港や特定の公共交通機関などでのマスク着用が義務化される。
さらに国防生産法(DPA)などを駆使し、ワクチンの生産や購入を増強するほか、新型コロナの打撃を受けているマイノリティー地域への資源分配を目指す。
バイデン氏は大統領令に署名するイベントで「戦時の対応だ」と強調した。
イベントにはバイデン政権で最高医療アドバイザーに格上げされた米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も同席。同氏はその後の記者会見でトランプ政権について、時に「居心地が悪かった」と吐露。「大統領に反論することには全く喜びを感じていない」とし、反発を受けることなく「科学的」に説明できるようになって「解放された気持ち」だと語った。
国内の感染状況については、最近の7日平均を見ると、近く横ばい状態に達する可能性があるとの認識を示した。
米国人の7─8割が夏の終わりまでにワクチンの接種を受ければ、秋までには「ある程度正常な状態」になるとの見方を示した。
米疾病対策センター(CDC)によると、これまで供給された約3800万回分の新型コロナワクチンのうち、21日午前時点で1750万回分が投与された。
バイデン氏はまた、国民全員に対し今後99日間マスクを着用するよう呼び掛けた。「専門家によると、現在から4月までマスクを着用すれば5万人以上の命を救える」とした。
*内容を追加します。
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