[ワシントン 12日 ロイター] - バイデン米大統領は13日に上院民主党議員と会談し、選挙改革法案の可決に向け議会の規則変更で団結するよう訴える。ホワイトハウス当局者が明らかにした。
トランプ前大統領が2020年大統領選での敗北について、不正が横行して勝利を盗まれたとの根拠のない主張を展開したことをきっかけに、共和党が優勢な19の州で投票権を制限する法案がこれまでに可決された。
投票権を制限する法案は、とりわけ、民主党の支持基盤であるマイノリティーへの悪影響が大きいとの指摘がある。
民主党は11月の中間選挙で、かろうじて握っている上院の過半数を守るため、対抗法案として選挙改革法案の可決を目指す。
バイデン大統領は11日、ジョージア州アトランタで演説し、選挙改革法案成立に向けた打開策が見つからない場合、上院議員は議事進行の妨害(フィリバスター)の廃止を含め、議会運営ルールを変更するべきだ言明。数カ月にわたり議員らと協議してきたが、「静かでいるのにはもううんざりだ」と語った。
議会では「ジョン・ルイス投票権促進法案」と、マイノリティーの投票機会を広げる「投票の自由法案」が検討されている。これらの法案は、選挙日を休日にし、郵便投票へのアクセスを拡大し、差別の歴史を持つ地方の選挙管轄区に対する米司法省の監視を強化するもの。
上院民主党トップのシューマー院内総務は12日、法案の上院での審議を確実にするための戦略を説明した。
ロイターが確認したシューマー氏の民主党議員へのメモによると、下院は2つの法案を一本化して可決し、共和党によるフィリバスターを防ぐ特別の手続きをした上で上院に法案を送る。
シューマー氏は「共和党がこれまで拒否してきた投票権に関する法案審議の機会がようやく得られる」と説明。ただ、共和党全員が引き続き反対した場合、民主党全員がフィリバスターのルール変更に同意しない限りは法案は通過しないと指摘した。
テスター上院議員は12日記者団に対して、どのようにルールを変更すべきかで民主党内でまだ意見がまとまっていないと話した。
民主党内では、ジョー・マンチン、キルステン・シネマ両上院議員がフィルバスターのルール変更に慎重だ。両氏は、フィリバスターを廃止すれば、議会のパワーバランスが変わるたびに政策も大きく変わり混乱すると指摘している。
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