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アングル:一変したホワイトハウスの日常、規律と犬とコロナ対策

[ワシントン 28日 ロイター] - 米大統領の官邸兼公邸ホワイトハウスでは今月20日朝、バイデン氏が第46代大統領として着任する数時間前に、上級スタッフの事務所などが入るウエストウイング(西棟)の入り口にある守衛詰め所のデスクに透明なアクリル板が設置された。トランプ前政権からの変化を示す、小さいが注目すべき出来事だった。

 1月28日、 米大統領の官邸兼公邸ホワイトハウスでは今月20日朝、バイデン氏が第46代大統領として着任する数時間前に、上級スタッフの事務所などが入るウエストウイング(西棟)の入り口にある守衛詰め所のデスクに透明なアクリル板が設置された。写真は25日、オーバルオフィスで、マスクを着用して執務にあたるバイデン大統領ら(2021年 ロイター/Kevin Lamarque)

新型コロナウイルス感染防止策はトランプ氏の任期最終年には軽視されていたが、バイデン新政権下のホワイトハウスでは日常生活の一部になるだろう。

<「大言壮語」と「気まぐれ」は消失>

ビジネスマンでテレビのリアリティ番組のスターだったトランプ氏の下で広まっていた「大言壮語」と「気まぐれ」は突然鳴りをひそめ、バイデン政権下ではマスク着用の義務化やメディア対応の刷新など、統率の取れた運営が戻った。

トランプ氏の大統領補佐官をかつて務めたボルトン氏はバイデン政権について「これが正常というものだ。ホワイトハウスを統率できない大統領はほかのことも統率できない。確かな事実だ」と述べた。

共和、民主両党から混沌状態と攻撃されたホワイトハウスの運営は一新され、代わりに規律あるメッセージ発信が重視され、リーク(情報漏洩)には距離を置く姿勢が広まった。

大統領は就任から100日間の「ハネムーン(蜜月)」期間はあまり批判を受けずに済むものだ。モーニング・コンサルト・ポリティカル・インテリジェンスの調査によると、有権者の56%が就任後数日間のバイデン氏の仕事ぶりを評価した。しかし支持率は急変し得る。

<トランプ流を次々に撤回>

ホワイトハウスでは日常的な事柄から深いレベルまで、無数の変化が起きた。南面に広がる広大な芝生の庭「サウスローン」には犬も戻ってきた。ブリーフィングルームでは再びメディア向けの説明会が定期的に開かれるようになり、質問が受け付けられ、データに基づいた回答がある。

バイデン氏自身、何よりもまず結束と礼節を訴えるメッセージを発している。

就任式では「私たちは互いに尊重と敬意を持って接することができる。私たちは力を合わせ、叫ぶのをやめて、気持ちを落ち着けることができる。結束がなければ平和はなく、残るのはいがみ合いと激しい怒りだ。進歩はなく、疲労困憊するほどの激高しかない。国はなく、ただ混沌(こんとん)があるだけだ」と述べた。

トランプ氏はワンマンショーのようにニュース発信を一人で支配し、激しく一貫性のないやり方でテーマをコロコロと変えた。バイデン氏のチームはほぼ毎日、特定のテーマを取り上げ続けている。バイデン氏は粛々と大統領令に署名し、トランプ氏の政策を次々に撤回している。

トランプ氏は毎日、時には約1時間ごとにツイッターに不満げで扇動的なメッセージを投稿し、職務の柱に据えていたが、そのアカウントは自身の支持者が連邦議会議事堂に乱入した6日の事件を受けて停止された。

バイデン氏はツイッターへの投稿を、政策目標を示すのに活用しており、たまには肩のこらないコメントも発信している。例えば好みのアイスクリームについて「チョコレートチップだと認める」と明かした。

<マスク着用と多様性>

前政権との違いが最も際立っているのが、バイデン氏の新型コロナへの対応だ。バイデン氏はパンデミックとの闘いを最優先課題に据えている。

トランプ氏は流行の初期段階に感染拡大を軽視し、マスクの着用を避けるのが常だった。ほとんどの政権当局者もトランプ氏の近くにいるときはマスクをしなかった。トランプ氏と政権チームの複数メンバーが感染した。

バイデン氏は政府の建物内におけるマスクの着用を義務化した。

バイデン氏と政権当局者は公的なイベントの際に、ソーシャルディスタンス(社会的距離)に関する衛生当局のガイドラインを守っている。バイデン氏は就任初期の大統領令への署名の多くを、広い空間が確保できる大食堂「ステートダイニングルーム」で行った。

また、閣僚に指名した人々に対して、登録ロビイストやロビイスト団体からの贈答品の受け取り拒否など、倫理についての厳しい誓約への署名を求めた。

<多様性も推進>

バイデン氏は多様性を推進する姿勢も前面に押し出した。女性、黒人、アジア系で初めて副大統領となったハリス氏は、次々にイベントに出席している。

白人男性を顧問に据えてはいるが、女性初の財務長官であるイエレン氏や黒人初の国防長官のオースティン氏など、閣僚の顔ぶれはトランプ氏時代と異なり、米国の多様性を映し出している。

議会では、バイデン氏の政策が共和党のほか、より大胆な改革を求めるリベラル派議員の抵抗に遭うとみられる。二極化が進んだトランプ政権の数年間を葬り去ろう、という同氏の呼びかけが試されるのはその時だ。

共和党ストラテジストのダグ・ヘイ氏は「足元では明らかに事態が鎮静化している。わずか数週間前には議事堂で大混乱が起きたが、落ち着きが戻りつつある」と述べた。

「今後に向けてバイデン氏は、トランプ氏ができると言い続けて成し得なかった『取引』を結ぶのに絶好の位置に立っている」としたが、「簡単なことだと言いたいわけではない」とくぎを刺した。

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