September 18, 2018 / 1:55 AM / a month ago

トランプ米政権、対中関税第3弾の発動を発表:識者はこうみる

[東京 18日 ロイター] - トランプ米大統領は17日、2000億ドル(約22兆4000億円)相当の中国製品に対して10%の関税を課すと発表した。市場関係者のコメントは以下の通り。

──関連記事:トランプ米政権、対中関税第3弾を24日発動 税率は当初10%

<野村証券 クオンツ・ストラテジスト 高田将成氏>

米国が2000億ドルの対中追加関税を表明したにもかかわらず、日本株が上昇の勢いを強めているのは、グローバル株全体がラリーに入っているためだろう。こうした局面では、よほどのネガティブ材料でない限り、すぐに消化されてしまう。

特に日本株では、短期筋の買いが強いようだ。けん引役のCTA(商品投資顧問業者)は、日経平均で2万2650円を超えたあたりから機械的にロングを増やしている。グローバルマクロも8月以降ロングをキープしている。貿易戦争の行方には不透明感もあるが、その先のグローバルインフレをにらんでいるようだ。

一方、年金などのリアルマネーは依然、日本株には消極的なようであり、TOPIXの上値を抑える要因になっている。

短期筋は、新興国株への警戒感から、あくまで消去法的に日本株を選好しているだけである可能性が高い。安倍晋三首相の自民党総裁3選が堅いとみられ始めたことから買い始めており、総裁選の9月20日あたりまではラリーが続くとみられるが、足の速い短期筋だけに、そう遠くない時点で日本株買いも終わるかもしれない。

<トウキョウフォレックス上田ハーロー 営業推進室長 阪井勇蔵氏>

トランプ米大統領は17日、2000億ドル相当の中国製品に対して10%の関税を課すと発表した。米国の対中制裁関税の発動はこれで3度目となる。

追加関税発動はある程度為替市場に織り込まれていたが、株安警戒感や中国の報復措置が必至となったことで、ユーロ/円相場が130円後半から前半まで下押しするなど、外為市場ではクロス円を中心に円買いで反応した。

1回目と2回目の対中制裁関税発動時には、株高/円安の動きが出たことを考えれば、今回の市場の反応(円買い)は小幅とはいえ、市場の警戒感の高まりを表すものだ。

初期の円高反応が小幅にとどまった背景には、前日、米長期金利が3%台に乗せたこともあるとみられるが、一方で連休中に中国株が続落しており、市場がリスク回避方向に傾倒する素地は整っている。

21日を軸に開催される方向で調整が進む日米通商協議(FFR)の第2回会合を控える日本にとっても、今回の対中制裁関税はFFRが厳しい状況になることを示唆している。

FFRを巡っては、トランプ大統領が7日に「合意できなければ、大きな問題になる」と警告し、日本と貿易協議に本腰を入れてこなかった唯一の理由は中国と協議していたからだ、と述べている。

米国は、日本とのFFRにも強硬姿勢で臨む可能性が高く、結果的に、ドル/円が112円台に定着するのは難しくなり、むしろ110円台までの調整が入ってもおかしくないとみている。

<SMBC日興証券 金融財政アナリスト 末澤豪謙氏>

トランプ米政権が今回発表した対中追加関税は、中間選挙を控えて下がり始めた支持率の挽回を狙ったとみられる。この週末もロシア疑惑に絡んで、トランプ陣営の元選対本部長を務めたマナフォート氏が司法取引に応じるなど陣営内部からの反乱が続いている。政権公約をコアの支持層にアピールしたかったのだろう。

追加関税の税率は当初10%で、年末には25%に引き上げられる。トランプ大統領は、中間選挙、さらには2年後の再選に向けて、強硬姿勢をさらに強める可能性がある。フライト・トゥ・クオリティー(質への逃避)の動きになりやすい。

市場が警戒するのは、日本が次のターゲットになる可能性があることだ。トランプ大統領は、15年6月に大統領選への出馬表明に際して、巨額な貿易赤字に絡んで、中国、日本、メキシコを名指しで非難をした。為替は円高に振れ、2万3000円台を回復している日経平均も上値が重くなってくるのではないか。

<フィデリティ投信 運用本部インベスメントディレクター 福田理弘氏>

トランプ政権が2000億ドル相当の対中追加関税を発動すること自体は想定の範囲内。この2カ月ほど米中貿易戦争への関心がやや薄れ、日本株にも上値トライの機運が出てきていただけにマイナスインパクトは避けられないだろうが、日経平均は2万1500─2万2000円を割り込んで一段と下値を模索していくほどではない。

日本の実体経済へ本当にインパクトがあるのは、米国が日本からの輸入車に対して関税を引き上げる事態になった場合だ。

トランプ政権は中国が報復措置を報じるなら即座に2670億ドルの中国製品への関税を検討しているという。成り行きを見極めたいが、投資家は実施を前提に臨まなければならないだろう。

*内容を追加しました。

 9月17日、トランプ米大統領は、2000億ドル相当の中国製品に対して10%の関税を課すと発表した。写真はカリフォルニア州オークランド港に停泊する中国のコンテナ船。2011年1月に撮影(2018年 ロイター/Beck Diefenbach)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below