December 3, 2018 / 1:57 AM / 7 days ago

米中首脳、追加関税の棚上げで合意:識者はこうみる

[東京 3日 ロイター] - ブエノスアイレスで1日開催された首脳会談で、トランプ米大統領と習近平・中国国家主席は新たな関税を一時的に見送り、貿易戦争を悪化させないことで合意した。

市場関係者の見方は以下の通り。

<JPモルガン証券 チーフ株式ストラテジスト 阪上亮太氏>

いったん市場に安心感が広がっている。短期的なリバウンドとなる可能性は高い。ただ所詮は90日の猶予期間がある話。先々どうなるかは分からない。また米中貿易摩擦よりも世界経済の悪化リスクに市場の「主役」は代わりつつある。来期の企業業績に対しポジティブな話が出た訳ではなく、上値は限られるだろう。日経平均が10月2日に付けた高値を更新するのは難しそうだ。

日米物品貿易協定(TAG)交渉も控えているが、米国は中国との交渉で忙しい。日本をたたいても米国にとって中長期的に意味はない。外交関係も日米は上手くいっているほか、同盟国の輸出に関税を掛けることについて米国内では反対論が強い。

一方、中国は米国にとって覇権争いの相手だ。手段としての関税が是認されている部分がある。今後、関税については停戦したうえで、知的財産権侵害などの譲歩を引き出す交渉期間に入る。高めのボールが飛び交うことが見込まれるため、ニュースのヘッドラインとしては過激なものが出てくるリスクがある。

<FXプライムbyGMO 常務取締役 上田眞理人氏>

対中追加関税棚上げの報道を受け、ドルは113.87円まで0.4円ほど買われた。しかし、ドル高/円安反応は一時的なものにとどまった。

追加関税棚上げによって、米国の中国に対する強硬姿勢が変化したわけではない。

このまま対中追加関税を立て続けに発動すると、米国に国内物価上昇をもたらし、消費者が不満を強めかねないなど、経済面のみならず政治面でも不都合な状況になる。このため、米国はいったん貿易戦争を小休止させる必要があり、追加関税を先延ばししたと理解している。

関税合戦はグローバルな経済にとってマイナスだが、当然、米国経済にもダメージが及ぶはずだ。今後は米景気減速が予想される中で、通商面でのダメージが米経済の腰折れを招かないように注意が必要だろう。

来年の米経済は、腰折れではなく、緩慢なペースでの減速していくと現在は予想している。金融政策については、来年のいずれかの時点で米連邦準備理事会(FRB)は利上げを停止するだろう。

<メリルリンチ日本証券・チーフ金利ストラテジスト 大崎秀一氏>

 12月1日、ブエノスアイレスで開催された首脳会談で、トランプ米大統領と習近平・中国国家主席は新たな関税を一時的に見送り、貿易戦争を悪化させないことで合意した。会談前の両国首脳。ブエノスアイレスで撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

米中首脳会談で、米国の対中追加関税を90日間猶予することで合意した。事実上の問題先送りは想定の範囲だが、警戒感が強かった金融市場にとって短期的にリスクオン方向の要因だろう。米金利は、米中貿易摩擦を受けて景気減速懸念を織り込んできただけに、いったんそのポジション巻き戻しが入っても不思議ではない。

しかし、トランプ米大統領は、現時点で中国と融和姿勢を強調することにメリットは感じられない。2年後の米大統領選を見据えているのだろう。強硬・柔軟の姿勢をそれぞれ織り交ぜながら、通商協議を進めていくのではないか。

朝方の円債市場で、国債先物は上値を重くして取引が始まった後に、強含みの展開。金利が低下した月末に買えていなかった向きから買いが入っているのだろう。

Reporting by Yoshiko Kawanishi

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