[ワシントン 13日 ロイター] - トランプ米大統領は13日、米政府の制裁措置によって主力事業が停止に追い込まれている中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)0763.HK000063.SZについて、早期の事業再開を支援するとツイッターで述べ、制裁緩和を示唆した。
ワシントンでの米中通商協議を近日中に控え、中国側に雇用確保を提示することで、通商協議で譲歩を引き出そうとするトランプ大統領の意図がうかがえる。
大統領は、中国の習近平国家主席とともにZTEの問題解決に取り組んでいるとし、「中国ではあまりに多くの仕事が失われた。米商務省に対し、早急に動くよう指示した」とツイート。
また、「中国と米国による通商協議は順調だが、これまでの長年の交渉は中国が一方的に有利な内容だったので、両国がともに恩恵を受ける合意に至るのは難しい」とした上で、「でも落ち着いてほしい。すべてうまくいく」と締めくくった。
米商務省、ZTE、中国大使館からのコメントは得られていない。
ホワイトハウスのウォルターズ報道官は、米当局者がZTEへの対応を巡り中国側と連絡を取っていることを認めた上で、大統領のツイートは米中が経済、貿易、投資などの分野で「自由かつ公平でバランスの取れた、互恵的な」関係を築くことの重要性を示したと指摘。
また、大統領はロス商務長官が法令に基づき、ZTEを巡る規制措置の解除に向けて自主的な判断を下すことを期待している、と述べた。
米商務省は先月、ZTEがイランや北朝鮮に対し通信機器を違法に輸出していた問題で、関係した従業員を懲戒する約束を守らなかったとして、米企業によるZTEへの製品販売を7年間禁止すると発表。
関係者によると、北京で今月行われた通商協議では、中国側は米国に対し、ZTEへの制裁緩和を求めていた。
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