[ワシントン 4日 ロイター] - バイデン米大統領は4日、共和党が民主党と協力して連邦債務上限引き上げに賛成票を投じない限り、米国が債務不履行(デフォルト)に陥らないと保証することはできないと述べた。
上院共和党は、現行28兆4000億ドルの連邦政府債務上限を2022年末まで適用停止とする法案の採決をこれまでに2回阻止。共和党側は、民主党が財政調整措置(リコンシリエーション)と呼ばれる手続きを使って単独で対応できると主張するが、民主党指導部はそうした手法を拒否している。政府の資金繰りが今月18日前後に限界に達するとみられる中、デフォルトの回避に向けて残された時間は限られている。
バイデン大統領はホワイトハウスで行った記者会見で、共和党は議会で米経済を相手に「ロシアン・ルーレット」を行なっていると非難。米国がデフォルトに陥らないと保証できるかとの質問に対し「保証できない。(上院共和党トップの)マコネル院内総務次第だ」と述べた。
その上で、共和党のトランプ前政権下では民主党の協力で債務上限が3回引き上げられたと指摘。「債務上限引き上げは通常は超党派の合意で行われており、そうあるべきだ」と語った。
また、債務上限引き上げは、新たな債務ではなく既存の債務を返済するための措置だと指摘した。共和党のトランプ前大統領の任期中に債務は8兆ドル近く増えており、全体の債務残高の4分の1以上を占めていると述べた。
バイデン氏は、マコネル氏とこの問題について協議を行う考えを示した。
下院は債務上限の適用を22年末まで停止する法案を9月下旬に可決し、上院に送付した。
民主党のシューマー上院院内総務は4日、債務上限の適用を停止する法案について、討論終結の動議を提出。上院で3回目となる上限適用停止に関する採決が週内に行われる見通しとなった。
一方、マコネル氏は4日の上院での答弁で、民主党は債務上限問題に対処し、回避可能な危機を阻止すべきだと強調。バイデン氏への公開書簡でも、民主党は共和党の協力なしで債務上限引き上げ法案を可決できるとの主張を繰り返した。
シューマー氏は、債務上限引き上げで進展がなければ、上院は週末返上で審議を開き、来週の休会にも入らずに協議を続ける必要があるとの見方を示した。
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