[ワシントン 9日 ロイター] - 米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は9日、上院銀行委員会の公聴会で、米政策立案者は暗号資産(仮想通貨)の利用拡大がもたらす問題に正面から取り組む必要があるとの考えを示した。
一方、米連邦準備理事会(FRB)が発行するデジタル通貨には「大きな期待」が寄せられると述べた。
ウォール街批判や消費者保護の立場で知られるウォーレン氏は、暗号資産が一般市民の生活を向上させるという約束は実現しておらず、政府は数多くの問題に対処しなければならないと指摘。
「暗号資産は投資家をだまし、犯罪者を助け、温暖化危機を悪化させる機会を生み出している」とし、「暗号資産がもたらす脅威を踏まえれば、議会や連邦規制当局は暗号資産がなくなることを期待して身を隠し続けることはできないと分かる。暗号資産はなくならない。これらの問題に正面から立ち向かう時だ」と述べた。
FRBが検討するデジタルドルについては、適切に設計されれば低所得者層の押し上げや決済システムの合理化につながる可能性があるとして支持を表明した。
一方、共和党議員はFRB発行のデジタル通貨の必要性や伝統的な銀行システムへの影響を巡り疑問を投げかけ、より慎重な姿勢を示した。
パット・トゥーミー議員は「成功している自由な企業システムに公的な銀行の介入は必要ない」とし、むしろ民間暗号資産の成長継続が必要との考えを示した。
FRBは中銀デジタル通貨に関する問題を検討中だと明らかにしている。パウエル議長は、議会の支持がなければFRBはデジタル通貨の導入を進めないとしており、この問題を巡る議会での議論が重要になる。
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